その9
人族、悪魔、天使…亜人により世界はできている。
~各部族の教科書より抜粋(冒頭より)~
世界樹と呼ばれる木がある、かの怪物王…ヒュドリアの住処であり始まりと終わりを司る樹と伝承では伝わっている。
「見上げるのは感心しないな、シトラス…君は頭を打ちたいのかね?」
「あら?ガイ?わたくしがそのようなへまをするとお思いなの?あのライムじゃありませんのに」
クツクツと笑う彼女。
「まったく…あんたも待てないようね、アリス、準備はokかしら?」
「うんいつでも」
四人と二柱はモンスツリーを見上げている…今から始まる戦争を前にして。
「ワクワクするよな相棒」
ただ彼等だけでないのは当たり前な話だったりする訳で。
「あんだと!っせえ!んだよ!こっちは気がたってんだ!」
「やれやれ…まったく(これだから憤怒は…てかなんで俺はこんな女を…ブツブツ)」
一方では。
「これが終わったら…今夜は寝かさない」
「ダーリン♪ハンパな~い(いい加減にしろよ!この絶倫遅漏野郎!)」
その横では。
「腹…へった」
「うん…お腹すいた」
様々な思惑が交差していた。
ここより時代は変わる、ヒュドリア討伐による時代の節目、悪魔と人…そして天使達の立ち位置も変化していくのであった。
「アリス…」
「なんだよ?ライム」
「ううん…(今までありがとう)何でもない」