その7
言葉は言霊、声に出さないと魔術も聖術も魔法も聖法も発動しない、よく覚えておくように。
~大罪の巣の学園教師の言葉~
あれから討伐隊の募集が始まった、連合と互助会の支援により、世界各地から様々な種族がこのユグド大陸に集まり戦いのために英気を養っていた。
「酒だ酒持ってこい!」
「肉!肉まだか!」
連日連夜この調子でまるで…祭のようだった。
「うるさい、ですわね」
「そうね…それだけはあんたに同意だわ」
うんざりしている二人…なんだかんだで仲が良いのか悪いのか。
「なぁ…ガイアは討伐隊に参加するのか?」
「愚問…だな、オレは参加するよ、アクアはどうするんだ?」
そりゃあ報奨金もでかいしな…
「参加するよ」
ヒュドリアは伝承ではかなり強いらしいけど。
「四人揃えば最強、だしな」
こうして討伐隊に志願して、モンスツリーに登るまで、1ヶ月…修行に打ち込むことになった。
「ストラトスストライク!」
高く飛び上がり右に一回転してから突く、それだけの動き…からの。
「ストラトスダイブ!」
高さを利用した上からの急襲そして。
「スラッシュインパクト!」
剣を変化する魔法剣からダマスカスの魔法剣に変えてからの四連撃…だいたいなれてきたかな。
そしてここからは…。
「はぁあぁ!形態変化!」
二本の剣を交差させて魔力でくっつけて剣を作る。
「ナインスライサー!」
九連撃…完成、かな。
「うまいこと考えたわね、アリス」
「あぁ…二刀流はやっぱり無理だったから魔法剣の特性をうまいこと利用したんだ、魔力だけは余っているから…さ」
そうライムが魔術を扱えなくて良かった、これは魔法でないとできないこと(…)だしな。
「なんかすっごく嫌みに聞こえるけど…ま、いいわ♪あたしも新技、開発したからストレス無いし許したげる」
そしてモンスツリー攻略…勝てるかな、ヒュドリアに。
「さてシトラスは離れた場所で練習してるしガイは家にいるみたいだし…あたしたちはどうする?」
う~んどうしようかな。
「一声だけかけて夕飯の食材買って帰ろうよライム」
「りょうかい」
ガイアがアレをするって言ってたしな…帰るに帰れない。
その頃アクアの家では。
「シトラスは外で修練すると言っていたからな…さて聖魔石の錬成にとりかかるとするか」
大罪の巣にあるアクアの家に、居候を始めて三日目、誰もいないしタイミングもいい、アレを始めようか…。
まず聖法陣を羊皮紙に描き自らの血を落とす…つぎにその上に魔法陣を描いた羊皮紙を重ねアクアの血を落とす、そこに聖力を流し込み法を発動させる…さて鬼がでるか蛇がでるか。
「さて…」
聖魔石を置く…すると、光り出した…そして凄まじい魔力と聖力が空間を埋め尽くしていき、目が開けられないくらいまで明るくなり、やがて…一つの形をとった。
「どもども、初めまして♪人工精霊のフーと」
「スーです」
まさか…こうなるとは。
「あ、わたしのことはフーちゃんって呼んでくださいね♪マスター」
「スーでかまいませんのでよろしくお願いします」
「あ…あぁ」
人工精霊…たしか。
「君たちは魔術と聖術しか使えないんだった…か?」
「えぇそりゃあ、魔力をくれたらわたしは様々な魔術でマスターの援護しますよ~♪」
「わたしは聖力をいただければ、聖術で援護いたします…よマスター」
ふむ、底上げになる。
「そうか…あと三人仲間がいる、まぁなんだよろしく頼む」
さてシトラスやライムもびっくりするだろうな。
人工精霊は聖石または魔石から生まれます、もし見つけても爆弾のように使用しないように。
~美徳の園の教師の言葉~