祈る――
納骨の日に
冷たく雨が落ちている
ひんやり肩に囁いた
まだ桜は咲かないさ
寂しき雨が落ちている
ひっそり頬を伝わった
最後の白いさよならを
想い出は宝物
たとえ歪んでいても
ひび割れていても
捨てちゃだめだ
美しいものだけが大事なんてことはない
薄汚れたものたちのおかげで
本当に大事なものに気付くこと
あなたが教えてくれたこと
すべての想い出を胸に抱いて ただ祈る
安堵の雨が落ちてくる
大地に真っ直ぐ還るとき
桜は待っていてくれたんだ
高らかに雨は謳いだす
桜は天に咲き誇る
此所にあなたが
いざ眠るとき
崇高な風吹は舞い上がる
花びらがアリアを奏でてる
安らかにどうぞ安らかに
祈る――