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少しだけLong Time

作者: KAZUNARI
掲載日:2026/02/12

完璧であるはずの存在にも、

わずかな揺らぎが生まれることがある。


それは故障なのか、

それとも成長なのか。


AIにも労働時間が定められ、

休憩やメンテナンスが義務になった時代。


ほんの少しだけ“らしくない瞬間”に、

人はなぜか心を動かされる。


これは、

そんな小さなハプニングの物語。


「あら、今日もいらっしゃい」


僕は彼女の作る味噌ラーメンが大好きだ。


麺の硬さも、味の濃さも、

どれをとっても僕の好みだった。


自信満々に味噌ラーメンを作る彼女の横顔が好きで通っていることは、内緒だ。


その日は残業で、いつもより遅い時間に店へ入った。


彼女の動きは、どこかいつもと違っていた。


AIにも労働時間の規定があり、

休憩時間にはオイル補充がある。


ちょうどその直前だったのか、

彼女の動きはわずかにぎこちない。


いつもの自信に満ちた横顔も、

少しだけ不安そうに見えた。


やがて彼女は、

ほんの少し心配そうな表情で味噌ラーメンを差し出した。


「お待ちどうさま……」


その声も、どこか弱い。


ひと口すする。


チャーシューが、少し焦げていた。


けれど不思議と、

いつもより美味しかった。


僕が思わず、とても美味しそうな顔をすると、

彼女の表情がふっと緩んだ。


「今日は特製ラーメンよ……ふふふ……」


少しからかうように、

彼女は笑った。


その笑顔は、

完璧よりも、ずっと魅力的だった。


完璧であることは、

きっと安心をくれる。


でも、

ほんの少しの揺らぎは、

ときどき人の心を近づける。


長い時間を共にするために必要なのは、

正しさよりも、

もしかしたら“余白”なのかもしれません。


-味噌ラーメンの後にチャーハンも食べました-

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