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1話:すべての始まり

とある、フルダイブ型のVRMMOがある。


それは今までのゲームとは違う、全く新しいMMOを売りにしていた。例えば独自思考をするAIが埋め込まれ、完全に魂が宿ったかのごとく動くすべてのNPC。見た目、香りだけでなく味までもあまりに再現度の高い食べ物や、現実よりも美しいとされるほどの景色、迫力のあるモンスターや、派手なスキルの数々。

普通に冒険者として各地を旅するのも、片田舎で畑を耕し成型を立てるのも、どこかの王に仕えてみるのも、自ら国を興すのも、多くの人々を殺す悪人となるのもよし。そんな、圧倒的な自由がそこにはあった。さまざまあるクエストだって、何万といるプレイヤーの応対一つで分岐をしていき、稼働しているどのサーバーでも同じ物語を辿ったものはない。


これは本当に新しい世界がもう一つ出来たようだ、新たな人生を歩めるようだと、本当に圧倒的な人気を誇っているゲームだった。限られたサーバーを狙い、新たなサーバー解放の際は常にとんでもない盛り上がりを見せ、人々は常に熱狂をしたものだ。


俺も、その中の一人だった。

残念ながら何度も限られた枠に応募しては、落選していたのだけれども。ゲームの中でのイベントの話をうっすらとSNSで見ては、ひっそりと枕を濡らした。あんまり詳しく知ると悔しさで、SNSで暴れそうだったから極力見ないようにしていたけど。


だがそんな俺にも、素晴らしい巡り会わせが訪れた。

それはこのゲームが3周年を迎える時である。記念イベントの一環として、プレイできるサーバーがこの度1つ増え、第20番目のサーバーが誕生したのだ。もちろん、この時もいつものように争奪戦。俺も応募はしたが、まぁ無理だろうと悟りを開いていた。──ちょっと近所の神社へ、当たりますようにとお賽銭をしていたりしたのは、ここだけの話。


その後このサーバーやゲーム自体への盛り上がりを見て、今回はどれだけの倍率になるんだ、と思いながら日々を過ごしていた俺の元に──とある一通のメール。


どうぜ落選通知、と思いメールを開けた俺の目に飛び込んできたのはこのサーバーの参加権利に当選致しました、というあまりに信じられない文言。現実がどうかを確認するために、思わず部屋の壁に頭をぶつけてしまってみた。痛いし、メールはなくならなかった。奇跡だ。

あとから調べてみたら、この時の倍率はなんと400倍を超えていたそうで──とんでもなさすぎる。



そこからは慌ててバイザーに高処理用の追加キットを購入し、ゲームを立ち上げたら最低限するべきことも動画で勉強し、事前のキャラメイクに挑む。


とは言っても、めちゃくちゃに凝る気はない。

見本の素体から一つ、痩せの男性型のものを選ぶ。

それの髪を少しのばして、横で緩くまとめる。色は青みがかった白髪に。目は細く鋭く、色も紫にして現実感をなくそう。メガネは現実でかけたことがなく、少しかけてみたいと思っていたのでかけてみた。


このくらいでいいだろうか。

少し気難しいところがあり、いかにも主人公サイドへ搦め手を使ってくる敵キャラにでもいそうな男性が完成した。

研究者でもやっていそうな、取っつきにくさを感じる。作った俺本人でも取引先とかで出会ったら、心の中で勇気をもらうための呪文を唱えたくなる容姿だ。中の人の頭がよくないため、賢い参謀プレイとかが出来ないのが悔やまれる。社会人となってもいまだに燻る厨二心の赴くまま作ってしまった弊害、だがせっかくのゲームなのだからこういうことだってしたい!

ちょっとだけ現実より背を高くしたり、とかもね。げふん!


あとゲーマーの友人はいないのでボッチプレイ予定だ、悲しい。とりあえずロールプレイをでき得る範囲で頑張りつつ、ソロで遊ぶしかなかろう。NPCを仲間にしてパーティーを組んで攻略もできるらしいので、そこで頑張っていきたい所存。

コミュ障のくせしてNPC相手なら何とかできるだろうと見積もってんの、見通し甘すぎ案件でないことを今から祈る。



そんな感じで準備をしていれば、あっという間に当日だ。

さて、ゲーム開始だ!!





この物語は、真面目で小心者なのに中途半端なお人よしのせいで色々と王道ルートから外れまくった結果、特にプレイヤー内で有名になることはないものの、陰からメインストーリーへ影響を与えすぎてしまった、とあるプレイヤーの物語である。

なお仲間になるのは、ショタ(詐欺も含む)NPCばかりという業もなぜか背負っている模様。


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