第25話:核心の光
教室は赤く染まった夕日の中、長い影が机や椅子に落ちていた。
陽翔は胸の奥のざわめきを押さえつけながら、微細な光と影、揺れるノート、軋む椅子――
すべてが反応する中心に、慎重に足を踏み入れた。
ページが宙に浮き、椅子が微かに揺れ、光の揺れが強まる。
胸の奥の恐怖は頂点に達し、しかし同時に好奇心と理解への衝動が勝る。
「…これが…核心か」
つぶやき、指先を光と影の中心に伸ばす。
触れた瞬間、空間の裂け目がわずかに形を変え、冷たい圧力と温かさが同時に指先に伝わった。
光の揺れが粒のように細かく散り、影が波打つ。
物理的には説明できない、しかし確かに存在する現象――
胸の奥のざわめきが、恐怖を超え、理解の手応えへと変わる。
日常の裂け目は、意思を持ち、規則を持ち、確実にここに存在していた。
スマホを見ると、今日も「Eve」の存在が静かに光る。
文字も通知もない。
それでも、その存在感は、異常の輪郭をより鮮明に際立たせる。
ページが再び宙に浮き、光の粒が指先の動きに応じて散り、影の形が変わる。
胸の奥のざわめきは、理解と緊張の入り混じった感覚に変わる。
「…部分的にでも、正体がわかる」
陽翔は小さく息をつき、目の前の現象の輪郭を胸に刻む。
教室の静寂の中、日常の裂け目は確かに存在し、そして陽翔は、その本質の一端に初めて触れたのだった。
胸の奥の決意は揺るがず、次の一手を考える衝動が静かに燃え上がる。




