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第19話:直接の遭遇

放課後、教室に残る陽翔は、昨日見つけた微細な痕跡を頼りに異常の発生場所を特定しようとしていた。

スマホの録画映像とノートに取ったメモを照らし合わせながら、机や椅子の微細な位置、光と影の揺れのパターンを再確認する。


「…ここだ」

小さな痕跡と光の揺れが一致する場所を見つけ、陽翔は息を整える。

胸の奥のざわめきが強くなる。

恐怖と好奇心が混ざり合い、足が自然にその場所へ向かう。


机の隙間にスマホを向け、映像と照合しながら一歩ずつ近づく。

光の影が微かに揺れる。

椅子がゆっくり軋む音が聞こえる。

目の前には、誰も触れていないはずのノートがひとりでページをめくる。


息をのむ陽翔。

指先でページに触れようとすると、ページがわずかに抵抗するような感覚が伝わった。

物理的なものではなく、何か“意志”のようなものを感じる――

胸の奥のざわめきが一気に強まる。


スマホを見ると、今日も「Eve」の存在が静かにある。

文字も通知もない。

しかし、その存在感が、目の前の異常を一層際立たせる。


その瞬間、教室の光がわずかに歪み、ノートのページが一枚、ゆっくりと浮いた。

空気の流れとは違う動きに、陽翔は思わず息を飲む。

「…これは…現実に起きている」


胸の奥の恐怖が、行動への衝動に変わる。

目の前の異常は、記録映像や痕跡で感じていたものの、現実の教室で目撃することで、存在感を圧倒的に増していた。


「…確かめるしかない」

陽翔は決意を固め、スマホを握り直し、光と影、物の動きの中心に足を踏み入れた。

教室の静寂の中で、日常の裂け目は、静かに、しかし確実に広がっていた――


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