第18話:手がかりの出現
放課後の教室は、夕日の橙色で静かに満たされていた。
陽翔は机の上にスマホとノートを広げ、昨日までの記録を何度も見返す。
光と影、物の微細な動き――
それらが織りなす異常のパターンは、少しずつだが確実に見えてきていた。
その時、黒板の隅で微かな光の反射が起きた。
一瞬だが、何か形を描くように光が揺れる。
陽翔は息を飲み、慎重に近づく。
そして、机の端に置かれたノートを手に取った瞬間――
ページの隅に、昨日まではなかった小さな痕跡が現れた。
線や文字のように見えるわずかな跡。
指先で触れても違和感はないが、目で見ると確かに存在している。
「…これは…手がかりか?」
つぶやき、胸の奥のざわめきが強くなる。
光と影、物の動き、微細な音――
それらのパターンと、この痕跡が関連している可能性を陽翔は直感した。
スマホを取り出し、映像と照らし合わせる。
痕跡の位置と、光や影の揺れのタイミングが重なる瞬間があった。
つまり、この微細な痕跡は、異常の発生場所やパターンを示すサインかもしれない。
胸の奥に恐怖と好奇心が混ざり合う。
「…ここに、答えがある」
小さな痕跡が、異変の根源に近づくための手がかりであることを、陽翔は直感した。
教室の空気は静かだ。
しかし、日常の裂け目は確実に広がり、目の前の微細な痕跡は、影の正体に迫る鍵となる。
陽翔はスマホを握り直し、ノートの痕跡を写真に収め、次の行動を決意する。
「…この異常を、完全に理解するまで、止まれない」
胸の奥のざわめきが、行動への衝動に変わった瞬間だった。




