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錆びた時代  作者: Lam123
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空飛ぶ相棒と大空の航路

霧の都市エアロスの地下深く。金属の匂いが充満する薄暗いガレージで、カイとリナは老整備士ジジイと向き合っていた。ジジイは小柄ながら、その目には何十年もの経験が凝縮されている。

「お前たちがクラウド・シティに行きたいのはわかった。だが、あんな輸送列車じゃ、途中の嵐を抜けられやしねぇ」

ジジイはニヤリと笑い、奥の巨大なカバーを外した。

そこに現れたのは、船というよりも巨大な飛行機とトラックを融合させたような代物だった。船体は古びた合金でできており、無骨なロケットエンジンと翼が継ぎ接ぎされている。

「こいつは『疾風の騎手ゲイル・ライダー』。オールド・ワールド時代に設計された最後の試作機だ。動けば、雲上の覇者の戦闘機にも追いつける」

「す、すげぇ…!これに乗って空を飛ぶのか!」カイの目が輝いた。

「乗るのはあんただよ、坊主。だがな、メインエンジンを起動させるには、あと一つ、**『魂の安定化』**が必要なんだ」ジジイはエンジン中央の空洞を指さした。「このエンジンはソウル・スパークを動力源に設計されている。お前さんの炎を一時的に注ぎ込み、システムの不安定さを抑える必要がある」

「やってやるさ!メシのためなら、エンジンに魂だって注ぎ込んでやる!」

リナは設計図を広げ、コッコと連携しながらエンジンの配線に手を付けた。

「カイ、エンジンが安定するまで、私は船内のシステムをクラウド・シティの航路に合わせるわ。あんたは全身のソウル・スパークを、このコアに一気に流し込んで!」

カイは巨大なエンジンの前で、全集中力をコアに注ぎ込んだ。オレンジ色のソウル・スパークが指先からコアへ流れ込み、エンジン全体が深い青色に輝き始めた。

ヴウウウウウ…

『マスター、エネルギー注入率70%!コアが安定しました!』コッコが船内システムと統合され、甲高い電子音で叫ぶ。

その時、ガレージのシャッターがけたたましい音を立てて爆破された。

ドゴォン!

「見つけたぞ!列車強盗どもめ!」

立ち込める土埃の中から、特殊部隊員を率いた「霧の猟師」バトスが姿を現した。彼の装甲は修復され、その眼は怒りで燃えている。

「逃がすか!この機体を破壊しろ!」バトスは部下たちに命令を下した。

「ちっ、もう来たか!」リナが叫ぶ。「カイ!エンジン安定化は完了よ!離陸準備!ジジイ、ハッチを開けて!」

「くそ!まだ肉を食べ終わってないのに!」

カイは、魂の注入を中断し、大剣「鉄クズ」を手に取った。しかし、このガレージは狭すぎる。ジェット噴射を使えば、機体を破壊してしまう。

「鉄クズは攻撃には使えない!どうする!?」カイは焦る。

『マスター!分析結果!エンジンコアの出力は最大です!鉄クズのジェット噴射を後方ではなく、下方へ向けて噴射してください!それが唯一の離陸ブースターとなります!』コッコが船体システムを通じて叫んだ。

「なるほどな!」

カイは一瞬で意図を理解した。彼は剣のエンジンを全開にし、その噴射口を、飛びかかってくる特殊部隊員たちに向けて振り下ろした。

VROOOOOOM!

灼熱のジェット噴射が、バトスたちを吹き飛ばし、その反動で「疾風の騎手」は地響きを立てながら一気に浮上した!

「リナ!行けぇ!」

リナは操縦桿を握り、機体を強引に狭いガレージの天井を突き破って外へ導いた。

ガシャン!バリバリバリ!

機体は轟音と共に、エアロスの上空へと飛び出した。

「追撃しろ!逃がすな!」バトスの悔しそうな声が、遠ざかっていく。

カイは機体の外壁にしがみつき、振り返った。眼下には、霧の都市エアロス、その下には無限に広がる錆びた大地。そして、見上げれば、青く澄み渡った空の、はるか遠方に、淡い光を放つ**「クラウド・シティ」**のシルエットが浮かんでいた。

『航路確立。所要時間、高高度巡航で約72時間です。マスター、これが本当の旅の始まりです』

「72時間か…」カイは笑った。「腹ペコで死ぬには十分な時間だな!」

彼は、天空へと向かうその巨大な航路で、改めて自分の運命に立ち向かう決意を固めるのだった。

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