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錆びた時代  作者: Lam123
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最後の審判:秩序の崩壊

正午。

リヒター艦隊は、一斉に最終砲撃を開始した。何百もの光線とミサイルが、クラウド・シティのエーテル・シールドに集中する。

グオオオオオオオッ!!!

シールドは激しく歪む。コマンドルームでは、リナが冷や汗を流しながら、蓄電池から得た安定した電力と、復旧したばかりの審判の砲台を必死に操作していた。

「シールド強度、10%まで低下! コッコ、次の砲台のチャージは!?」

『残り5秒!リナ、照準を敵の旗艦へ集中してください!』

その時、青い光を放つエーテル装甲のカイが、猛烈な勢いでシールドを飛び出した。彼は、目の前の巨大な敵艦隊には目もくれず、ただ一点、中央にいるリヒター将軍の旗艦へと向かっていた。

(全部を相手にする必要はねぇ!この街の力を止めようとする**『頭』**さえぶっ壊せばいい!)

カイは、安定したソーラー電源によって、装甲の制御を完璧に行えていた。彼は「魂の共鳴」を最大限に使い、リヒター艦隊の防御網の、一瞬の穴を探る。

「見えたぞ!旗艦の左舷、防御ドローンが一瞬遅れる!」

カイは、その一瞬の隙を突いて、艦隊の間を光速で縫うように突破した。敵の迎撃レーザーが、彼の装甲をかすめるが、致命傷にはならない。

リヒター将軍はブリッジでカイの突撃を見ていた。将軍の顔には、もはや驚きはない。ただ、冷徹な分析だけがあった。

「あの暴徒は、我々の戦術の中枢を理解した。しかし、同じ手は食わない!」

将軍は、旗艦の周囲に特殊なエーテル遮断フィールドを展開させた。それは、沈黙の番人の技術を応用した、強力な局所防御だ。

カイは旗艦のシールドを突き破り、艦橋へと辿り着いた。リヒター将軍が、透明な強化ガラス越しにカイを見下ろす。

「無駄な突撃だ。貴殿の装甲は、今、私の**『秩序の壁』**によって、エーテルの供給を断たれた。その鎧は、もうただの鉄くずだ!」

将甲の表面から青い光が消え、エーテルとの接続が途切れる。

(クソ!またこのパターンか!)

しかし、カイは笑った。彼はエーテル装甲に頼ることをやめ、内蔵されていたジェット大剣を抜き取った。彼の腕力と、スクラップランドで培った純粋な飢えと怒りの根源的な力を、その剣に集中させる。

「俺の力は、エーテルだけじゃねぇんだよ、将軍さん!」

「我々の秩序は、貴様の野蛮に敗れん!」リヒターが叫ぶ。

「野蛮で結構だ!」

カイは、装甲のブースターではなく、純粋な脚力で跳躍した。彼は、エーテルを遮断された大剣に、自分の魂の力を注ぎ込み、**『魂の最終フルスイング』**を、旗艦のコアに叩き込んだ!

ドオオオオオオオッ!!!

純粋な物理的破壊力が、リヒターの「秩序の壁」を突き破った。旗艦のエネルギーコアは破壊され、巨大な船体は閃光を放ちながら、内部から崩壊し始めた。

「ば、馬鹿な…!非効率な力で…我が秩序が…!」リヒター将軍の絶叫が通信に響き渡る。

旗艦の爆発は、統制を失った艦隊全体に波及した。指揮官を失い、恐怖に駆られたリヒター艦隊は、一斉に雲の下へと散り散りに逃走を始めた。

コマンドルームのリナは、その光景を呆然と見ていた。

『勝利…!クラウド・シティの勝利です!リヒター艦隊は完全に撤退!』コッコが、興奮した電子音で叫んだ。

カイは、破壊された旗艦の残骸の上に着地した。装甲はボロボロだが、彼は立っている。

その頃、クラウド・シティの居住区では、住民たちが歓喜の声を上げていた。彼らが信じた「腹を空かせた王様」が、本当に彼らを守ったのだ。

カイがコマンドルームに戻ると、リナは涙を浮かべながら抱きついた。「おかえり、カイ!あなたは本当に…この街のヒーローよ!」

カイは笑い、いつものように腹をさすった。「ああ、腹が減った。これで、美味いビーフシチューを安心して食えるな」

戦争は終わった。天空都市は、カイとリナという二人の若き指導者によって、世界にその存在を宣言した。

しかし、その勝利の瞬間、天空の遥か上空、旧時代の衛星軌道上に、未知の衛星が動き出した。その衛星は、人類のいかなる技術とも異なる、異質な光を放ち、クラウド・シティと、その強力なエーテル反応を静かに観測していた。

『観測目標:確認。過剰なエーテル・ノイズ発生源。地球テラより、排除プログラムを発動。』

戦争は終わったばかりだ。だが、カイとリナが対峙するべき真の世界の脅威は、これから始まる。


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