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錆びた時代  作者: Lam123
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最奥の格納庫:錆びた英知の解放

リヒター将軍からの宣戦布告から、既に24時間が経過していた。

中央タワーのコマンドルームでは、リナとコッコが徹夜でシールド配分と迎撃ルートの計算に追われていた。一方、カイはコッコの誘導を受け、都市の最も深く、最も隔離された軍事区画へと潜っていた。

「くそっ、あと丸一日しかねぇのに、この街はデカすぎる!」

カイは、錆びた地下通路をジェット大剣の推進力を使って高速で移動していた。彼の使命は、この都市に眠る最強の切り札を見つけ出すことだ。

『マスター。目的地は「最終防衛兵器庫」、コードネーム:ヴァルハラです。ヘリックス博士でさえ、完全に制御できなかった区画です』コッコが、いつになく緊張した声で警告する。

最終兵器庫の扉は、何重もの合金とエーテルロックで固く閉ざされていた。巨大な扉の前で、カイは立ち止まった。

「コッコ、これどうすんだ?こんなデカい鍵、見たこともねぇぞ」

『分析の結果、このロックは通常の認証ではありません。ソウルの波長を要求しています。しかし、必要なのは、秩序と混沌、両極端の波長です。』

リナの声が通信機越しに響いた。「秩序と混沌?それは、ヘリックス博士の『完璧な調和』と、あんたの『スクラップランドの野生』の両方を持つ、特別な存在しか開けられないってことよ!」

「特別な存在…それは、俺のことだな!」

カイは意を決した。彼は発電所で会得した**「魂の共鳴」**の技術を使い、意識的にソウル・スパークを二つに分ける。一つは、制御された静かなエーテル流(秩序)。もう一つは、荒々しく燃え盛る怒りの炎(混沌)。

彼は両手を扉の認証パッドに押し付けた。

ヴィイイイイイイ…

二つの相反するエネルギーがぶつかり合い、扉が激しい光を放ち始める。カイの額から汗が流れ落ちる。一歩間違えれば、彼の魂は分裂してしまう。

ガシャン!

認証ロックは解けた。巨大な扉がゆっくりと重々しい音を立てて開いた。

内部は、広大な格納庫だった。そこに並ぶのは大型のミサイルでも、巨大な大砲でもない。空間の中央、青いエーテル光に包まれて浮かんでいたのは、たった一つの人間サイズの物体だった。

「なんだ、これ…」

それは、洗練された流線型のパワードスーツ、**「エーテル装甲エーテル・アーマー」**だった。全身が光を反射する合金で構成され、背中にはエーテルを効率よく取り込むための導管と推進器が内蔵されている。

『マスター!旧世界が最終決戦のために開発した試作型の動力装甲です!エーテル発電所の力を直接、個人にチャージし、戦闘能力を飛躍的に向上させるための兵器です!』

カイは興奮を抑えきれなかった。「こいつが、俺の新しい鎧か!」

彼は装甲へと歩み寄り、自らのソウル・スパークを流し込んだ。装甲は瞬時に彼の体形にフィットし、装着される。

ゴオオオオオオ!

装甲が起動した途端、発電所から続くエーテル流がカイの全身へと流れ込む。その力は凄まじく、カイの肉体を突き破ってしまいそうなほどだ。

「ぐあああ!力が強すぎる!制御できねぇ!」

『マスター!アーマーのエネルギーコアを安定させるには、あなたの新しい能力、**「魂の共鳴」をコアと完全に同調させる必要があります!装甲を『第二の皮膚』**として受け入れなさい!』

リナの声が聞こえた。「カイ!時間がないわ!あなたの命を賭けて、その力をコントロールするのよ!」

カイは叫び、再び目を閉じた。彼はエーテル装甲の機械的な秩序と、自分自身の野性的な魂を、無理やり一つの波長に引き寄せた。

ズン…

数秒後、激しい光と音が収まった。エーテル装甲は、落ち着いた、力強い青い光を放ち、カイの体と完全に一体化していた。彼は自分の拳を握りしめる。指先から、宇宙そのものの力が流れ込むような感覚だ。

「これが…クラウド・シティの力…!」

『マスター、統合完了。戦闘能力、推定通常の500倍。防御力、理論上は全方位バリア展開可能です』コッコが驚きを込めて報告した。

その時、コマンドルームのリナから緊急通信が入った。

「カイ!悪いニュースよ!リヒター艦隊が、シールドの最大出力ラインに到達した!彼らは通信なしで、攻撃を仕掛けてきたわ!」

『マスター。リヒター艦隊、48時間の猶予を破棄。砲撃開始まで、残り30秒です!』

カイは格納庫の天井を蹴り破り、コマンドルームへと向かった。全身に青いエーテルを纏った彼は、もはや一介のスカベンジャーではない。

「間に合ったな!リナ!コッコ!最高の武器は手に入れたぞ!」

彼の目の前には、遠くの宇宙に無数の光を放ちながら、クラウド・シティへと猛進してくるリヒター艦隊の巨大な影があった。

「さあ、戦争を始めようか!」

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