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ちぷたぷさん(縦読みマンガ原作)

作者: 風戸輝斗

【タイトル】

ちぷたぷさん


【ジャンル】

デスゲーム/ホラー


【テーマ】

極限状態でのサバイバルホラー


【作品の魅力】

変わらない想いと腐敗する信頼


【ログライン】

8月8日、8時8分。選ばれた人間だけがちぷたぷさんの姿を見ることができる。

それは安曇(あずみ)高校の誰もが知る七不思議のひとつで、晴香もその話を知っていた。

8月8日、8時8分。晴香はちぷたぷさんに殺害されて命を落とす。ところが目覚めると晴香は夜の安曇高校にいて……。生存を目指して、裏切り殺し合うサバイバルホラー。


【キャラクター設定】

ちぷたぷさん(性別不明/年齢不明/『ちく、たく、ちく、たく、ちく、たく……』)

・8月8日、8時8分。安曇高校に通う生徒の中から選ばれた10人のみが対面することのできる七不思議の中の存在。対面=死であり、デスゲームへの参加を余儀なくされる。

・ちぷたぷさんの正体は、昨年にデスゲームをクリアした人物である。

・クリアした人物は時計と安曇高校の校舎内を映したテレビしかない空間で一年間過ごすことになり、翌年新たにクリアする人物が現れることで、その役目から解放される。

・口癖は「ちくたく」。常軌を逸した力で殺戮に及ぶ。ちぷたぷさんは殺しても死なない。


浅倉晴香(あさくら・はるか/女/高校二年生/『うぅ~怖い話はやめようよぅ……』)

・怖がりで消極的な少女。幼馴染みの夏樹に好意を寄せている。元・ちぷたぷさん。


瀧澤夏樹(たきざわ・なつき/男/高校二年生/『安心しろって。ハルは俺が守るよ』)

・元気溌剌で前向きな少年。晴香のことを妹のように思い、可愛がっている。


伊澤秋奈(いざわ・あきな/女/高校一年生/『あぁ殺したい。……あ、殺しちゃダメか』)

・現・ちぷたぷさん。彼女の時間は、昨年の8月8日で止まったままである。

元・夏樹の彼女。ちぷたぷさんの役目を押しつけ、彼氏を奪った晴香を憎んでいる。


【補足説明】

・ゲームは参加者が最後のひとりになるまで終わらない。

・ゲームは1日1時間までという制限があり、タイムリミットになると現実に戻される。

・ゲームがクリアされるまで、参加者は永遠に8月8日を繰り返す。

・参加者は、ゲーム外で命を落としても、ゲームがはじまれば生き返る。

・ちぷたぷさんの気分で、ゲーム内容は変化することがある。

・ゲーム内で命を落とすと、世界から存在した記憶が抹消される。

・ちぷたぷさんになった人物もまた、世界から存在した記憶が抹消される。

・ちぷたぷさんの役目を終えた人物は、自身がちぷたぷさんであった記憶を消去されて、現実に還される。ちぷたぷさんとして過ごしている期間は成長が止まっている。


【あらすじ】

 夏季講習の帰り道、安曇高校にまつわる七不思議を話して晴香を怖がらせる夏樹。と、ちぷたぷさんの現れる日が明日だと気づき、「俺たちが選ばれてるかもな」なんてからかう夏樹に晴香は不満をぶつけ、「責任を取って今夜は泊まってほしい」と頼む。夏樹は承諾し、同じベッドで夜を明かすが、晴香の期待とは裏腹に、それらしいことは起きなかった。

 翌朝、ふたりが部屋で談笑しているとちぷたぷさんが出現する。状況が呑み込めず硬直していると、夏樹の首が斬り落とされる。やっぱり状況が呑み込めない晴香。やがて天地が反転する。最後に晴香の瞳に映ったのは、首を失った自分の胴体だった。


 目を覚ますと、晴香は夜の安曇高校にいた。パニック状態になる晴香だが、夏樹に声を掛けられて平静を取り戻す。そこには晴香と同じように、死んだはずの生徒たちがいた。

 やがて校舎のチャイムが鳴り響き、生徒玄関からなにかが走ってくる。

「ちくたくちくたくちくたく――あははッ! ねぇ死んで。私の秒針、ずっと動かないの!」

 ちぷたぷさんがひとりの少女になにかを投擲する。――ナイフが喉を貫いていた。

 血泡を吐き出し痙攣しやがて動かなくなる少女を見るなり、残された参加者は、少女が〝死んだ〟のだと悟る。参加者は隠れて逃げて、なんとかその夜をやり過ごす。


 翌日、昨日と日付が変わっていないことに気づいた一同は、安曇高校で鉢合わせる。

自己紹介を終えたのちに解散し、昨日みたいになりませんようにと願う晴香だが、その願いは虚しく、午後8時になるなり、学校に強制的に転移させられる。

 一時間経てば現実に帰れると昨夜の経験から理解している一同は、ちぷたぷさんに気づかれないようやり過ごそうと試みる。そんな中、会議室に不自然に貼られたポスターを目にする。そこにはデスゲームの攻略方法が書かれていた。どこかに出口があり、その出口を通れるのはひとりだけ、参加者が最後のひとりになるまでデスゲームは永遠に続くとのこと。同時に夏樹が奇妙なカードを拾う。「騒音」と書かれたカード。それはカードではなくシールで、剥がして机に貼りつけると、突如として騒音が轟きはじめる。

ちぷたぷさんが猛スピードで迫ってくるが、制限時間に救われて一同は助かる。


 一週間が経ったある日のこと。参加者が現実で参加者を殺す事件が発生する。そのことを根に持った参加者は、シールを駆使して参加者の動きを封じる。そしてちぷたぷさんに殺されて――その夜、初日以来の犠牲者が生まれる。

 その一件を皮切りに殺し合いが加速する。晴香も生きるために仲間をひとり殺害する。

 現実での接点はなくなり、夜に集まれば疑心暗鬼を募らせ、別行動を取りつづける日々。

ひとり、またひとりと参加者は息絶えていき、そんな中で晴香は出口を発見する。

 かくして残るは晴香と夏樹のみとなり、出口前で対面するふたり。夏樹も既に出口を見つけていた。ふたりの元にちぷたぷさんが迫る。「拘束」のシールを使うか迷う晴香。晴香が決断するより早く、夏樹が自身にシールを貼りつける。それは「昏倒」のシールだった。

 夏樹の最後を見届けることなく、出口に向かう晴香。出口の先には、時計とテレビだけが置かれた部屋があった。ほどなくしてやってきたちぷたぷさんに「これからはアナタがちぷたぷさんになるの」と告げられる。理解できずに困惑していると扉が閉められる。 

なにをしても扉は開かず、やがて晴香は「ちくたく」と秒針の音を口ずさみはじめた。


 翌年の8月8日。ちぷたぷさんとなった晴香は、以前までちぷたぷさんであった秋奈を殺した。夏樹の恋人となって青春を謳歌する秋奈が憎くて憎くてしょうがなかったからだ。

 そして今年も、新たなちぷたぷさんを選出するゲームがはじまる。   

                                        (おわり)


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