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超常的オカルト現象研究探索記録

お正月飾り

注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。


ご了承下さい。

 私達の家には、代々の伝統……まあ、伝統と言えるかは分からないけど、毎年年末になると作る物がある。


 それが、来年の干支の彫刻を作ること。つまり今は、お父さんが蛇の彫刻を作っている。


 お父さんの家は、彫刻家。基本的に木を使っての作品を何度も出しており、一家代々だからそれなりに有名だったりする。何時も使っている木材は、檜だけど、この時だけは榊を使う。


 本当はそれなりに大きい物を作ってたけど、時代の流れでちょっとずつ小さくなって、今の玄関横にちょこんと置かれる小物程度の大きさになってしまった。


 私は、お祖父ちゃんの家に置かれてる大きさの方が好きだけど。


 少しだけ不思議なことは、たまに動く。


 いや、信じられないのは分かってるけど、本当にそうなの。たまーに動くの。


 猿の時に、一度だけ目が動いたのを見たことがある。その時は弟が産まれた年だった。


 そして、お父さんは必ず私達のその彫刻を触らせない様にする。それが原因で私達に怒鳴ったこともあるから、お母さんは何度か怒ったことがある。


 だから、絶対に私達は触らない。触ったら怒られるから。


 今年、お父さんはようやく蛇の置物を作り上げた。それを玄関横にちょこんと置いて、決して触らない様に毎年決まった言葉を言った。


 そして、年越し蕎麦を啜って、毎年恒例の行事を終わらせて、新年がやって来た。


 朝日を探して玄関先を飛び出すと、一気に眩しい日差しが私を照らした。


 すると、少しの違和感を見付けた。蛇の置物が無い。お父さんがしまったのかな? それとも?


 けど、まだ早い。何時もなら三が日まで飾り続けてる。だからまだだ。


『――』


 声が聞こえた。静かで、綺麗で、澄み切った声。私はただ、ただその声が誰から発せられているのか、それが気になって足を進めた。


 何時もお父さんが木を伐採する山に入ると、私が小さい頃に頑張って作った秘密基地に辿り着いた。もう腐って、錆び付いて、ただのぼろぼろの集まり。


 ……声は、ここじゃない。もっと奥だ。もっと奥から聞こえる。私は朝日を背に、更に奥へと踏み込んだ。


 曲がりくねった山道をそのままコンクリートを敷いた様な道路を歩いて行くと、この田舎から出る為の、そして入る為のトンネルが見えた。


 山一つを通る為か、先は暗闇しか見えない。何度も曲がって、長く長く、そんな道だから当たり前だ。


 ……私がここに帰る時も、このトンネルを通った。そして何度も通ったことがあるはずのトンネル。もう慣れて、親しみさえ覚えて、怖いなんて思わないはずなのに。


 この先へ歩みを進めるのが、とても恐ろしい。ただ恐ろしいんじゃない。この先へ進めば、二度と私があたしじゃいられない何かに変わってしまう。そんな後戻りの出来ない選択を強いられていると感じてしまう。


『――――――』


 もう、辞めて。歩きたくない。


「――――――」


 語り掛けないで。


「「――――――」」


 ……分かった。行かないと、いけない。


 私は、トンネルの中を歩いた。数分、数十分。


 ライトの数を途中までゆっくりと数えて気を紛らわせていたが、声が大きく聞こえる度に、心臓がどくんと高鳴ってそれどころでは無くなった。


「「「――――――」」」

「……分かってるから、もう黙ってて」

「「「――――――――――――」」」

「もう黙っててよ!!」


 声は、ぴたりと止まった。


 ああ、それでも進まないといけない。何で?


 今ならまだ戻れる。出口が見えただけだ。まだ、戻れる。


 それでも、進まないといけない。それはきっと、誰の為でも無い。私の為だと思う。


 出口が眼前に入ると、私の足は止まった。さあ、一歩を、踏み出そう。


 一歩踏み出せば、景色は変わった。夕日が差し込み、ただ私を照らしていた。


「――」

「……分かってる。分かってるよ」


 私は、足元に転がっていた蛇の置物を両手で拾った。


 鱗は一枚一枚丁寧に金色に塗られ、目は少しだけ輝いている朱色。お父さんが作った置物だ。


 声は、聞こえなくなった。


 私はトンネルを戻り、家に帰ろうとした。


「――」

「……来る?」


 瞬間、私の背に誰かの息遣いが聞こえた。生暖かい空気が、私の項に触れた。


 冬の時期には似合わない熱と汗が私の体から発せられると、背後にいるそれは語り掛けた。


「――――――」

「私は帰らないと」


 すると、蛇の彫刻が私の手から無くなった。目を離している隙に、いなくなってしまった。だけど不思議と動揺は感じない。何時かまた私の手に戻って来るだろうと良く分からない安心感を抱いていた。


 後ろから私を驚かす声が聞こえると、直後にそれは苦しむ声に変わった。


 そして、私の手の上に蛇の彫刻が現れた。これもまた瞬きの間だ。


 私は、トンネルを抜けて家に帰った。静かに、玄関横に置き、私はそれに一礼した。


「ありがとうございました」


 私はその日の内に、お父さんから何故毎年彫刻を作るのかを聞いた。


 初めは伝統と聞いたが、辛抱強く聞くと、その由来も話してくれた。


 要約すると、氏神との約束らしい。


 昔、と言っても明治時代らしいけど、彫刻を継ぐ子供がいなくなったらしい。すると、近くの神社の宮司さんが怒り狂いながらやって来たらしい。


 その神社の御神体はこの家の先祖、今は我が家の氏神になっているらしい人が作った彫刻品らしい。


 そして、その神社の神様はその御神体をえらく気に入ったらしく、継ぐ子供がいなくなったことに怒り狂ったらしい。だから宮司の人も怒ったと。


 それ以降は先祖が謝り倒して、神社の神様に氏神も説得して、家に必ず男児が産まれる様にして、その子供に彫刻の道を目指すことを義務付けたらしい。


 そして氏神との約束として、神様が家を見る為の目印、そして御神体として彫刻品を一体作る約束もしたらしい。


 そして演技が良くて丁度良いと言うことで、毎年の干支で作る様にしたと言う。


 まあ、これが本当かは分からない。実際お父さんもそれを聞いただけで信じていないらしい。


 ……本当だとは思えないけど、今は、それが本当だと信じておこう。


 三が日の日、お父さんが蛇の置物を処分しようとした日。あの蛇の置物が、じっと私を見詰めた気がした。


 ……彫刻でも、作ろうかな。

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


実は大晦日の七時に書いた駄作だったり。

主人公は女の子だと思っただろ!! 残念!! 男の娘だ!!


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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