表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ミジンコにも満たない存在

作者: 安永祐二


雨の降る日曜日、ふとこんなことを思った。


俺なんかミジンコにも満たないゴミみたいな存在だ。


居てもいなくても何も変わりゃしない。


仕事は回るし、勿論地球も回る。


朝が来れば夜も来る。


戦争だって終わりゃしない。


なんにも変わらないさ。


「まぁそう言うなよ兄弟」


俺の中の何かが囁く。


「そりゃお前は取るに足らない存在さ。悠久の歴史や宇宙の広大さから見れば取るに足らないゴミみたいな存在さ」


なんだ、慰めに来たんじゃねぇのかよ。


「まぁいいじゃねぇか。お前はそうやって自己憐憫に陥ることすら無意味な存在なのさ」


おいおい。少しは慰めてくれよ。


俺は心の中でそう呟く。


「無意味な存在だったら、「無」なんだから、失うものは何もねぇじゃねえか。失うものがないってのは強いもんさ」


馬鹿にすんな。


俺にだって失ったら怖いものの一つや二つあるさ。


「ははっ。だったらいいじゃねぇか。それだけ、お前にも生きてる意味、価値があるって事じゃねぇか」


俺の中の「何か」がそう笑いながら去って行った。





挿絵(By みてみん)






手塚治虫先生の不朽の名作「火の鳥」【鳳凰編】に、ふと、ミジンコが出てきたことを思い出しました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ