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量子脳で覚醒、銀の血脈、異世界のデーモン狩り尽くす ~すべて解析し、異世界と地球に変革をもたらせ~  作者: 藍沢 理
17章 終章

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322/341

322 クリーニ下水道

 クリーニの美しい街並みを眺めながら、俺たち三人は歩む。目指すはリリスが知っている野良ゲート(・・・・・)。そこまでは転移魔法を使うまでもない距離だと言う。


 しかしどうにかならないものか……。


 リリスとダーラは誰が見ても美人であるため、男女関係なく街ゆく人々を振り返らせていた。まだ午前中で影が長く伸びている時間帯だ。そこでふと思う。ダーラは太陽の光を浴びて大丈夫なのかと。


「私の娘をジロジロ見るな」

「やましい目で見てるんじゃねえよ」

「……ああ、なるほど。ダーラはダンピールだからな。それに次代の真祖(オリジン)だから、太陽の光くらいで滅ぶわけがない」

「そうかい」


 さっきも思ったけど、リリスは俺の心を読んでいるのかと感じるくらい察しがいい。話が早くて楽なんだけど、こいつの出自を知ってるからなあ。神のような読心術を使っているのかと勘違いしてしまう。


「母上さまといると、どこへ行っても注目を浴びるからね」


 ダーラはそう言って、ケロッとしている。それはいいんだけど、ふたりとも目立ってしょうがない。彼女はシンプルで洗練されたスタイルを好むタイプなのか、白いブラウスに黒いパンツ姿。


 一方、リリスはカジュアルで遊び心のあるスタイルだ。頭からすぽっとかぶるプルオーバータイプのトップスにグレーのパンツ姿。周囲も似た感じなので、目立つファッションでもない。やはりその美貌が、人々の目を引いているのだろう。


 とてもではないが、これから冥界へ行く格好ではない。俺もあまり人には言えないが、いちおう蒼天(アイテール)製の服だ。神々しい空気や、特別な雰囲気が出ないよう、特殊加工されている。セレスト翁に感謝だ。


「そこを左だ」


 リリスの指示で路地裏へ入る。まっすぐ行けば港だ。


「なんかそれっぽい道だね」


 ダーラはワクワクした目で声をかけてくる。アメリカ軍にいた頃は猫をかぶっていたのか、開放感のある振る舞いを取っている。それに彼女はキリスト教徒だ。それなのにダンピールだとは世も末だ。


 リリスの娘という自信の表れなのか、まったく怖がっていない。これから向かうのは五十メートルクラスのトカゲが現われる危険な場所だというのに。ダーラもデボンと同じく、それなりの修羅場をくぐっているのだろうか。


「止まれ」


 リリスの声で、随分古い倉庫の前で立ち止まる。レンガ建ての小さな建物だ。入り口はサビだらけの引き戸になっている。南京錠も鎖もサビまみれで、随分長い時間、出入りがないと分かる。


 ……いや、南京錠と鎖から闇脈(あんみゃく)を感じる。これってもしかして、古びたように見せかけるためリリスが偽装しているのか。


 リリスは左右を確認し、俺たち以外近くに誰もいないと分かると、鎖を引き千切った。華奢な腕に細い指。そんな事出来るはずがないと感じてしまうけれど、こいつはバンパイアの真祖(オリジン)だ。驚く必要はない。


 彼女の手招きで、俺とダーラが後に続く。


 中は湿気に満ち、かび臭い。小窓がひとつあるだけで明かりも無く薄暗い。リリスは構わず奥へ進んでいく。三人とも夜目が利くので問題ない。


「ここから入る。中は下水道だ。匂いがきついが、魔法で何とかしろ」

「……下水道?」

「そうだ。この建物は街の下水管理施設だが、近くに新しく建てられて放置されている。職員も近づかないから丁度いいだろ」


 リリスの口調が変っている。少し緊張気味で、言葉に少しだけ棘を感じた。


 床にある大きな金属。そこが入り口のようで、マンホールのフタの三倍くらい大きい。リリスはそれを軽々と持ち上げた。と同時に悪臭が立ち込める。


「ソータ、お前は光魔法を使うなよ」


 そう言ったリリスは自身で魔法を使って明かりを灯した。ふわふわ浮かぶ青い炎だ。そう言えば、リリスは俺の光魔法で大ダメージを食らっていたな。デレノア王国の王都ハイラムで。


 リリスの灯した明かりで、フタの下に階段があると分かった。


「ソータくん足元に気を付けて」

「ああ」


 リリスはスタスタと降りていく。ダーラが親切に足元の注意をしたのは、階段が濡れていて滑りそうだからだ。


「なあ、ダーラ――」


 階段を降りながら聞いてみる。リリスもダーラも迷いなく進んでいるので、不自然に感じた。


「――ここに来たことあるのか?」


「ええ、昨日ここに来てゲートがあることは確認済みなの。あたしたちとは直接関係ないから、対処を後回しにしていただけ」


「……へぇ。んじゃあの錆びた鎖は偽装か。もしかするとすでに、ゼノア教国にもバンパイアのコミュニティを作ってんのか?」

「あははっ、ヒミツ」

「……」


 ダーラは肩をすくめておどけてみせる。日本人はこんな仕草しないよな、なんて余計なことを考えながら進んでいく。それに、リリスの一派がバンパイアのコミュニティを作ったとしても、ニンゲンに害を与えるものでは無いと分かっているから、特に警戒する必要もない。


 どうと流れる水の音。下水の異臭が鼻をつく。そろそろ到着かと思っていると、リリスの声がした。


「この先には街の下水を浄化し、まとめて海へ排出するトンネルがある。だが、いまは汚水のまま流れている」


「げ、まんま(・・・)流れてんの?」


「そうだ。少し上流に浄化施設が移動されたのだが、そこにゲートが設置されている。ここは古い施設だと言っただろう」


「遡っていくわけか。トンネルの両端に通路とかあるんだろ?」


「ない」


「マジかぁ。でも、浮遊魔法で飛んで行けば平気か」


「ダメだ」


「なんでよ……」


 うんこまみれで下水道を遡れって事か? あ、障壁張って念動力(サイコキネシス)で強引に進めばいいか。


「魔法を感知されて、浄化施設にゲートを開いたデーモンに気づかれたくないだろ」


「……分かったよ。デーモンいるなら先に言えっての」


 下水に浸かって上流へ進むことが決定した。リリスもダーラもケロッとしてるけど、平気なのか? 他人の糞尿まみれになるんだぞ? ため息が出そうになって堪える。バンパイアの感性にはついていけないや。


 階段を下り切ると、目の前には巨大なトンネルが現れ、その中を激しい勢いで下水が右から左へと流れている。下水が流れるトンネルの幅は約二十メートルと、巨大なものだった。


「おいおい……」


 リリスとダーラは、躊躇(ためら)いなく下水道に浸かる。リリスは身長が高いので、問題ない。しかしダーラは身長が低いので、胸辺りまで汚水に浸かっていた。飛沫がバシバシ顔に当たっているのに、なんで平気なんだよ。


 というかこれだけ流れが速いのに、ふたりとも余裕で歩いて行くってどういう事? あー、聞いても教えてくれなさそうだなあ。


「さっさと行くぞ」


 リリスの声で決心する。とはいえ、臭い。臭いもんは臭い。流されて汚水でもみくちゃにされるなんてまっぴらだ。考えたあげく、念動力(サイコキネシス)を左右に伸ばして身体を固定する。これは魔力を使わないので、奥にデーモンがいてもバレない。鼻の穴もついでに念動力(サイコキネシス)で塞ぐ。ナイスアイデアだ。ふはは。


 俺たち三人は汚水に浸かったまま、流れを遡っていった。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



 デーモンに気づかれると厄介だと判断し、リリスは青い炎を消した。暗闇の中を突き進んでいくと、遠くに光点が見えてきた。流れてきたドブネズミがしがみ付こうとするので、念動力(サイコキネシス)でぺしぺし吹っ飛ばしていく。


 光点が大きくなってくると、先頭を歩くリリスが立ち止まった。


『ここまでは調べて分かっていたが、この先にいるデーモンがどのような存在かまでは確認していない。ふたりとも油断するな』


『はい、母上さま』

『……念話使えるなら、先に言っとけっての』


 ビックリするだろうが。まあでも、彼女たちが念話を使えても不思議ではない。それだけ力のある存在だし。


 大きくなってきた光点は、とても広いため池だとわかった。デーモンの気配もするし、黒霧(こくむ)から溢れ出る迎魔(げいま)も感じる。それに――この気配はなんだ。


『ドラゴネードがウヨウヨいる……。デーモンがここに溜めて一気に流し出しているんだろうな』

『どうします、母上さま』

『なんだよそのレモネードみたいなやつは』

『水中をよく見ろソータ』


 水中て、汚水だぞ……。あ、潜って見ろじゃなくて、気配を探れって事か。うんこから目を逸らしていたため、汚水の中を探ってなかった。


『……いるな。あれってもしかして、でっかいトカゲ?』

『そうだな。地球のトカゲに似ているが、いちおうドラゴンだ。ワイバーンと違って空を飛ばないから、図体だけはでかい』

『ほほーん。あのトカゲが海を渡って、ドラゴン大陸にまで来てたんだよな。奥にいるデーモンが指示を与えてんのかも……』

『おそらくそうだろう。私たちはドラゴネードを()る。ソータ、お前はデーモンを()れ』

『あいよー』


 リリスの指示に従っておこう。彼女には一日(いちじつ)(ちょう)があるし、どんな戦いをするのか見てみたい。俺にそんな余裕があるのか分からないけど。


『……では始める』


 リリスとダーラの姿が霧に変わった。何度も見てきた、スキル〝霧散(ミストディ)遁甲(スパーサル)〟だ。白い霧は汚水の上に広がっていき、視認できなくなる。


 さて、俺が倒すデーモンはどこかな。トンネルからため池をのぞき見る。うーむ、めちゃくちゃ広いな。天井は高くないけど。しかしこの施設が強固な魔法陣で落盤しないように固定されていることが分かった。


 ただし、正規の出入り口と思われる通路は、全て落盤して塞がれていた。つまりクリーニの職員がこのため池へ来ることはできない。意図的にやったのだろう。


 俺の相手となるデーモンを探す。


 ……いた。ため池の対岸に小屋があって、その中でくつろいでいた。見た目はニンゲンと変わらない。小屋の近くに黒霧(こくむ)へ繋がるゲートが開きっぱなしだ。そこから迎魔(げいま)が溢れ出し、黒い霧を纏ったトカゲ(ドラゴネード)が現われていた。


 目指すはあの小屋だ。


 ――――ドン


 水中に大きな衝撃波が駆け抜けてゆく。


『おいおい……リリス、ダーラ』


 俺はまだ移動すらしてないのに、もうおっぱじめやがった。


 いや、効果的な攻撃かな。小屋から慌ててデーモンが出てきてゲートを閉じた。襲撃者が黒霧へ行くと勘違いしたのだろう。


 ……しかしあのデーモン、本物のヒト族と見分けがつかない、しなやかな女性だ。低ランクの黒い粘体が憑いているようにも見えるが、内包する冥導(めいどう)がラコーダ並みに高い。そこら辺の雑魚デーモンとは違うようだ。


 リリスたちがうまくかく乱しているため、あのデーモンは突如水柱が立つ水面を警戒しながら見ている。


 チャンスだ。


 スキル〝能封殺(アンチスキル)〟と〝魔封殺(アンチマジック)〟を同時に使用。と同時に転移魔法を使用。デーモンの背後から念動力(サイコキネシス)で拘束した。エリスの居場所――冥界と、この場の座標が同じなので、こいつは何か関連があるはずだ。滅ぼす前に、何を知っているのか聞かなければならない。


「ぐぅ……、貴様は……ソータ・イタガキ」


 俺は背後にいて動けなくしているのに、強引に振り向きやがった。首はねじ切れそうにしわが寄り、骨の折れる湿った異音が響く。

 背中を見ているはずなのに、彼女と俺は顔を合わせているという異常事態。さながらホラー映画のようである。


「俺のことなんで知ってんの?」


 彼女は北欧系の顔立ちで美人。スレンダーな身体に、長く流れるような白いローブと沢山のアクセサリーを身につけていた。ジロジロ見る俺に腹を立てたのか、長い金髪の奥で碧眼が睨んでいた。


「あなたがことごとく邪魔をするからよ」

「答えになってない。俺とお前は初対面だ」


 その頃には、ため池の轟音はやんでいた。水面には白い腹を見せて、巨大なドラゴネードが数多く浮かび上がってきた。すると俺の背後にふたつの気配が現われる。リリスとダーラだ。


「お前っ!! どうしてソータといる!!」


 デーモンの女は俺の背後へ視線を動かして怒鳴りつけた。おや? どっちに言ってんだろう? するとリリスが話し始めた。


「久し振りだなピコ。二百年ぶりくらいか。しかしだ。お前はカヴン(魔女)だろ? マリア・フリーマンを裏切ったのか。その紋章はレブラン十二柱、序列五位のものだ」


 そう言われてピコはキッと目をつり上げ、怒鳴った。


「マリア様を裏切るわけがないっ!!」


 変わらずホラーな見てくれのピコは置いといて、どういう事だ?


 リリスとピコが知り合いなのは確定。しかもピコは魔女(カヴン)マリア・フリーマンの部下っぽい。でもリリスが指摘した紋章は、レブラン十二柱の証しだという。それはおそらく、ピコの首から下がっている大きなメダルのことだろう。


 そういや会ったことのないレブラン十二柱が一体いたはず。それがこいつなら……。


 肩越しにリリスを見て声をかける。


「あー、なるほど。こいつさ、マリア・フリーマンの内偵じゃね? レブラン十二柱として冥界に潜入していたと考えると筋が通る」

「くっ……」


 ピコは俺を睨み付けて、悔しげな声を上げた。図星みたいだな。内偵がそれじゃ意味がない。簡単に口を割ったようなものだ。ピコはそれに気づいたのか、念動力(サイコキネシス)の拘束を解こうと暴れ始めた。


「質問だ。答えたら解放する」

「そんな言葉に騙されるかっ!!」


 得体の知れない恐怖を感じ、ふと気づく。美人が怒ると怖いんだよな。


「そう言われてもなあ。ピコ、お前さ、いまどんな状況なのか分かってる? 質問に答えたら解放する。これは約束だ。このまま握り潰してもいいんだけど、どっちにする?」

「……分かった」


 わはは。ほんとに内偵なのかこいつ。解放するという約束を破る気はないけど、そんなのでよく、いままでラコーダにバレなかったな。


 リリスとダーラは口出しする気はないようで、俺の少し後ろで佇んでいる。というか、服も肌もきれいになっている。うんこまみれのはずなのに……。あ、そういやスキル〝霧散(ミストディ)遁甲(スパーサル)〟の使用後には、服装とかが元に戻ってたな。


 俺だけうんこまみれとか、ずりいぞお前ら……。


 うーむ。後で洗おう。いまはこっちが優先だ。


「エリス・バークワースは、冥界にいるだろ。ちょうどこの辺りの座標だ。奴が何をやっているのか知ってる?」

「……くはっ。エリスとは協力関係にあるが、もはや必要な人材ではない――――」


 笑顔を見せたピコのホラー感が増す。俺の質問に答えても問題ないと判断したのか、ピコは饒舌に話し始めた。


 この下水施設から黒霧(こくむ)へゲートを繋いだのは、エリスからの指示。マリア・フリーマンも承諾済み。黒霧に住まう魔物、ドラゴネードなら、ドラゴン大陸に建設中の日本を破壊できる。そう考えてのことらしい。


 そのゲートもここだけではなく、ゼノア教国全土に設置しているそうだ。


 では何故そんな事をするのかと聞くと、リリスの言ったとおり俺に対する報復だそうだ。


 リリスはいま、冥界にて力を蓄えているという。この情報もリリスが持っていたものと同じ。何か他に情報はないかと問いただすと、冥界のクリーニには、これまでにない数の黒霧徒(こくむと)――デーモンの神にあたる存在が集まっているらしい。


 それを聞いた瞬間、心臓を鷲掴みにされた気分になった。黒霧徒の中にディース・パテルクラスがいれば、俺はひとたまりもないだろう。


 だがしかし、そこまでの戦力を整えているのなら、すぐにでも叩かなければならない。冥界から異世界へ出てこようものなら、今度こそお仕舞いだ。


「くはっ、青い顔してどうした。マリア様は神界の神を討つ。エリスは貴様を討つ。もう準備は整っている。今さら私が話したところで、もうどうにもならないぞ。話は以上だ。私を解放しろ」


「ああ、分かったよ」


 マジでヤバいぞこりゃ。冥界のクリーニにデーモンの神が集結しているなんて、思いも寄らない情報だ。リリスの情報は少し古かったのだろう。


 ピコの刺すような視線で、俺は念動力(サイコキネシス)を緩めた。彼女はその瞬間飛び上がって、ため池の方へ向かう。


「――――えっ!?」


 そんな声を上げたピコは、ため池に落下。汚物まみれになって、悲鳴を上げた。


 アホかこいつ。解放すると約束はしたが、スキル〝能封殺(アンチスキル)〟と〝魔封殺(アンチマジック)〟を解くとは一言も言っていない。


 ピコは臭い汚いと叫びながらこっちに向かって泳いでくるも、リリスとダーラが許さなかった。


 ふたりの目が怪しく光ると同時に、ピコの目は光を失う。彼女は意識朦朧としながら、汚水に沈んでいった。


「……」

「なんだ」

「なによ」


 ふたりをじっと見つめると、不服そうな声が返ってきた。


「いや、解放するって約束したじゃん」

「お前がな」

「あたしは約束してないもん」

「……」


 なんて奴らだ。間抜けな美人密偵のひとりやふたり、見逃したっていいんじゃね。でも死んでしまったものは仕方がない。


「俺はこれから冥界へ行く。もういいぞ。付き合ってもらって悪かったな」

「逃げるな。お前は生きて、私と共にアダム・ハーディングを討つと約束したはずだ」

「そーだそーだー!」


 くそっ。なんとかごまかそうと思ったのに、リリス、あんた抜け目ないな。あとダーラ、君は怖くないのかな? ディース・パテル並みに強い黒霧徒がいるかもしれないんだぞ。


「そうかよ。んじゃ行くぞ」


 そう言って冥界へのゲートを開くと、ダーラの慌てた声がした。


「あ、待ってソータくん。うんこ臭いからきれいにして?」


 あークソ。締まらねえ。


 そんなことを考えながら、俺は水魔法を使った。

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