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どっか~~ん!!だいばくはつ!!

2回目の飲み会も、特に問題なく進んでいった。

前回と同じ顔触れなのもあって、盛り上がっていた。


おれたちは参加者達のテーブルを回り

他にクラスメイトがいないか探った。



『豊緑高校!!この言葉にピンと来ませんこと?』


『バカ!!!!お前聞き方がストレートすぎるんだよ!!』


ヴィクトリアは思ったより単純思考のようで

テーブルを回るたびにそうやって参加者に質問した。


(お前な…もしそいつがティティアを殺した仲間だったらどうすんだよ。)

(バレないように行動しないと…殺される可能性だってあるんだぞ。)



『あら、貴方、案外考えが浅いんですわね…。』

『いいですこと?もうすでにわたくし達の事はバレていると考えるのが自然ですわ。』

『ティティアが殺されたのがいい例…。』


『だったら尚更だろ!リスクを冒す必要などない!』



『…逆ですわ。だったら尚更リスクを冒すんです。』

『もうわたくし達の首元に手はかかってるんですわよ。』

『だったら、足掻かないでどうするんですの?』

『殺される可能性があるんだったら、何故前に進まないんですの?』


『…ッ』



『仲間が殺されたんですのよ…。行動してナンボでしょうが!!』


『うん…。アニキ、これに関してはボクもヴィクトリアに賛成かな。』

後ろで話を聞いていたバニーニも同調する。



確かにそうだ。ティティアが殺されたことばっかりに意識が行っていた。

大事なのはそうだよな。殺されたから、何をするか。だ。


こいつはこいつなりに考えてるんだな…単純ではあるけど。



『そうだな。たまには良いこと言ったりするんだな。』


『当たり前田のクラッカーですわ!貴方がた平民とは思考が違いますので!』


『お前もこっちの世界では平民だろ…名字もないポコポだし。』


『何ですって!??!?!?!次その名前口にしたら牢屋にぶち込んで差し上げますわ!!』

『貴方だってアニキとかいう変な名前でしょうが!!』


『うるせぇ!!ポコポポコポポコポポコポポコポポコポポコポポコポ!!』


『アニキアニキアニキアニキアニキアニキアニキアニキアニキアニキ!!』



バニーニは後ろで静かに見守っていた。

顔は微笑んでいたが、目は冷ややかだった…。




いくつかのテーブルを回って聞き込みをしていたが

おそらくみんな、クラスメイトではなかった。

単純にこの飲み会を楽しんでいる。という感じだった。





最後のテーブルに聞き込みをしに行った。

そのテーブルには男二人、女一人がついていた。



『どうも。主催者のココノエです。飲み会楽しんでいますか?』


『九重…。あんたが九重か。』


男の一人がそう言って、おれは一瞬たじろいでしまった。







その瞬間。その男を中心に店が大爆発した。





きゃああああああああ!!


全員店を出ろ!!!!


うわああああああ!!






どれくらい経っただろう…。

目を覚ますと、目の前にはバニーニがいた。

バニーニの顔は半分ススで汚れ、片目を閉じていた。

苦しそうな顔をしている。


ここは外のようだ。

地面のタイルの感じから、ここはヴィンランドがある路地だろう。



周りには騒ぐ人、泣く人、パニックになっている人。

全員この飲み会の参加者だ。



『…?何が起きた?どういうことだ…?……ッッ!!』

鋭い痛みが走った。左腕には木片が刺さっている。



隣にはヴィクトリアが倒れていた。

外傷はないようだが、ところどころ小さな火傷になっていた。

意識を失っているようだ。



『アニキ…走れるかい?ヴィクトリアはボクが担ぐ。とりあえず人目がある街の中央へ行こう!!』


『あ…あぁ…。なんとか大丈夫だ。』



激痛の腕を抑えながら、おれたちは走った。



火柱が上がるヴィンランドを尻目にとにかく走った。






はあ…はあ…。




街の中央まで着いた。

とんでもないことになった…。


まだ午後7時ごろだというのもあって、いろんな人が街を歩いている。

ボロボロで血を流してるおれたちを見て、街の人たちは警戒している様子だった。



『アニキ、爆発があったのは覚えているかい…?』

『ボクは一歩下がった後ろにいたから、傷はないけど…。』


『爆発…確かに激しい光に包まれたことは覚えてる…。』

『ヴィクトリアは!?気を失ってるけど無事なのか?』



『無意識だったんだ。ははは、アニキらしいね。』

『君は咄嗟に身を挺してヴィクトリアを守ったんだよ。』

『なんだかんだ言っても、君は昔のアニキのままだね。安心しちゃった。』



そうだったのか…。



『アニキの腕の傷をどうにかしないとね…ちょっと休んだら医者に診てもらおう。』

『この時間ならまだギリギリ開いてるところもあると思うから…。』


バニーニがそう提案した時、後ろから声をかけられた。




『君たち、ちょっと話を聞かせてもらってもいいかね?』


王城の衛兵がおれたちの周りを囲んだ。

(衛兵は前の世界の警察官みたいな役割をしている。)




『爆発事件について聞きたいのだが…。』

その衛兵たちの表情は、明らかにおれたちのことを敵視していた。

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