ティティア…お前…もしかして…
おい…ティティアお前今なんて言った…?
いや、アニキなんてあだ名いくらでもいるか…
『思い出した、そいつ兄貴って名前なんだけど、そのせいで誰からもアニキって呼ばれてたんだよな』
『おれじゃねーーーーーーか!!!!!!!!!!!』
『!?!?!??!?』
つい大きい声を出してしまって
ティティアがびっくりしてこっちを見る。
落ち着け…どういうことだ?
こいつもおれと同じように、記憶を持ったままこの世界に
転生してきたってことなのか…?
だったら、こいつは誰なんだ…?
何を話すべきなんだ…?
頭がいっぱいいっぱいだ…
…
『担任の池田先生…女子から嫌われてたよなぁ…』
『え!?!?』
ティティアが目を開いておれを見る。
こいつびっくりしてばっかりだな…
でも、このいちいち大げさな反応、覚えがある。
『お前…網中だろ。網中健斗』
これでもかというくらい見開いていたティティアの目が更に大きくなる。
『嘘…だろ?…?アルメロ…お前も…なのか?なあ!?お前もなのか!?』
『ってか…お前!アニキなのか!?本当か!?なあああああああ!!!』
ティティアはぼろぼろと涙をこぼす。
『僕…ずっと心細かったんだよ!この世界に記憶を持ったまま生まれ変わって!』
『前の世界のこと覚えてる人は誰一人いなくて!この世界に一人みたいな感覚で!』
『うおおおぉぉアニキ!アニキ!アニキ!』
町中に響き渡るんじゃないかってくらい大きい声でティティアは泣いた。
この歳までずっと心細かったんだろう。気持ちは分かる。
積もりに積もった昔話を一通りした。
なんだかんだ、心が安心しているおれがいる。
おれも、この世界に一人だけじゃなかったんだ…。
今までずっと一人で抱え込んでいた重荷みたいなものが解放される感覚だ。
共有できる相手がいるって、いいものだな…。
ここで一つ考えが思い浮かぶ。
この世界に転生してきたのは
おれとティティアだけなのか?
他にもこの世界に転生してきた人がいると考えてもおかしくないだろう。
『アニキ…あのさ…この世界に来たのって、僕たちだけなのかな…?』
ティティアも同じ考えのようだ。
おれは大きく息を吸い、胸を張ってこう答える。
『お れ に 任 せ と け ! 』
『さすがアニキ!頼りになるぜ!!!!』
あぁ…懐かしい…
高校生の頃は、こうやってアニキと慕われて頼りにされてきたんだ…
俄然、やる気がわいてきた。
『いいか?ティティア、この世界に来たのはおれたちだけじゃない可能性が高いだろう。』
『しかし、今ここでおれたち二人が転生してきたとか言っても信じてもらえない。』
『どうするの?』
『そこで考えた。』
『隠れ同窓会を開くんだ!!』
『隠れ同窓会!?!?』
こうして、おれとティティアの
『異世界同窓会』の企画がスタートしたんだ…