1話 あっちこっちを測られました。
ジャンルを『その他』に変更しました。流石に、ローファンタジーのような魔法とかは無いですし。因みに本作はジャンル『日常』です。なぜジャンルに『日常』が無いのでしょうか。
「お父さんにね、電話でユウちゃんのことを話したらすんなり了承してくれたよ。やったねユウちゃん。しかも、元々のクラスに転入させてくれるって。よかったわねユウちゃん」
「電話を聞いている限りだと、どうもお父さんを脅してるようにしか聞こえなかったけど…?」
「ん?」
微笑みながら圧力を掛ける。傍から見たらとても良い笑顔にしか見えないだろう。声が少し震えているが。
「はい。なんでもありませんです。学校に行かさせてもらいます」
少し口調が変になって声も変に裏返っている。
「まぁまぁ、そんなに怯えなくても良いのに。学校は7月の初めから。それまでに、私が女の子に必要なことを教えるからね。どうせなら可愛くしないと。可愛いお顔が勿体無い」
因みに今日は6月25日だったりする。
「う、分かったよぅ」
ユウもここで反抗しても何も変わらないことを悟った。
「あと、姉の真衣にも報告しとくわね。ユウが美少女になったよって」
「えぇ!?」
「大丈夫よ。真衣には絶対に口止めしとくから。ただ〜少しの間、着せ替え人形になるかもだけど」
「ふえっ!?」
真衣とは現在高校3年生の姉である。この時点で何かを察するかもしれないが、言わないであげてほしい。まぁ、気づかない人もいるにいるだろう。
因みに真衣は高校の寮で生活しており、高校を卒業したら家に帰って来て仕事をするのだと言う。凄く良く出来た娘である。どこかの誰かさんと違って。
「ささ、準備するわよ。ますは、身長の測定ね。こっち来て〜」
「あっ話逸らしたな〜」
「さぁなんのこと?」
「とぼけんなよぉ〜」
ポカポカと母親を殴っている。実に微笑ましい光景である。
「さぁ身長を測るわよ」
メジャーでユウの身長を測定する。
「えーっと、157.3cmね。まぁ普通ってとこかしら」
「ふーん」
「じゃあ、次はバスト。胸ね。はい、上脱いで」
「え?モウイチドイッテモラエマスカ?」
「だから、バストを測るの。サイズがわからないと下着のサイズすら分からないじゃない」
「いや、下着はいいよ。別になんとも思わないしさぁ」
バストを測るのを固辞するのも無理はないだろう。まだ心は高校1年生なのだから。でも、あの母親を前にして固辞し続けられるだろうか。結果は無理に決まっている。そう、無理なのだ。
「だめよ。そんなこと言ってると、痛い目見るわよ。例えばちくびが擦れて痛かったり、胸が揺れて邪魔になったりするのよ?まぁ、拒否権は無いわよ。言っておくけど、下着ってかなり大事なのよ?だから、ちゃんと測られなさい。さぁこっちおいで」
一瞬、母の目が光ったような気がするが、気のせいだろう。そう、気のせいなのだ。まさか、息子(娘?)のバストの大きさを測りたいなんて思っていない筈だ。
「いーやーだー」
「来てね?」
本日2度目の『微笑み+圧力』。これは、ユウも「うん」か、「はい」か、「YES」しか答えられないだろう。
「はい…」
せかせかと、母はメジャーでユウのバストを測っていった。口元がニヤけていたのは気のせいだろう。
「終わったわよ。Cカップね。まぁ15歳でその大きさってことはそこそこ大きいんじゃ無いかしら?」
「へ、へぇ〜」
さっきから「へぇ」とか、「はい」とか少ない単語で言葉を返しているのは、気が動転しているだけだろう。
「じゃあ、下着買いに行きましょうか」
ニッコニコの笑顔でユウに話しかける。
「え?いや、ネットでいいじゃん」
「ネットはサイズがわからないからダメ。さ、行きましょう。出来れば、ユウちゃんの服も欲しいし」
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