サーシャさん
僕の部屋に居たのは女性騎士サーシャさん。
僕の、先輩騎士だ。
(、、、僕を王国騎士団に推薦してくれた人の中の一人である。)
サーシャ「全く、なんだ、この部屋は!酒臭いぞ!」
勝手に僕の部屋に上がって、なおかつ文句を言う先輩。
(良いじゃないか、、僕の勝手でしょう、、)
僕は黙って目で抗議する。
サーシャ「しかも、なんだ、何も無い部屋だな、ここは。寂しい限りだ」
と、部屋に物が少ないのは悪い事、のように文句を言ってくる先輩。
(それこそ僕の勝手でしょう)
と、思いながら、その言葉をグッと飲み込んで
僕「それで、先輩、何の用ですか?」
と、抗議の意味を含めてぶっきらぼうに質問する。
サーシャ「、、、、、、、、ん?」
先輩は僕の部屋の内装の文句を言うので、要件をすっかり忘れていたらしい。
少し、間を置き、手をポンッと叩いて
サーシャ「うむ、そうそう。」
サーシャ「それだがな」
と、、、
真面目な顔をして先輩は(僕の部屋に無断で入り込んだ理由を)説明し始めた。
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少し脇道に逸れるが
この女性騎士サーシャさんはとても綺麗な容姿の持ち主で、王国騎士団の高潔さを表しているような人だ。
だから僕は、先輩と初めて会った時、先輩を"綺麗でおしとやかで静かな人"、だと思っていた。
けれどこの先輩と仕事を共にして一年。
今はその考えは吹き飛んでいる。(吹き飛ばされた)
綺麗な高嶺の花の人だと思っていたら意外と雑草魂強い横暴でパワフルな花だった、、、という感じだろうか。
この人の
他人の部屋にずかずかと入り込んで更にはその文句を言う、なんていう
傍若無人な行動さえも、今の僕は"季節にくる小型台風"、くらいにしか思わなくなっていた。
よくある事。
この人は、こういう人なのだ、と、、、。
、、、、、、、、、。
、、、さて。話は元に戻る。
サーシャ「うむ、ちょっと付いてきて欲しい所があってな。」
サーシャ「私一人では少し行きづらい場所なのだ。」
サーシャ「リオウ、お前が適任だと思ってな。」
サーシャ「とても大事な事なのだ」
僕「????」
先輩は顔を赤くして何かを言い淀んでいる。
いつもは単刀直入、簡潔に説明するのが特徴のサーシャさんが。
何故????
そして、そもそも一体何の用事なのかがさっぱり分からない。
サーシャ「ええい、つべこべ言うな!非番の日はいつも暇だろう!どうせ!」
バン!
と、駄々っ子のように机を叩く先輩
サーシャ「いいから行くぞ。付いて来い。」
と言って、顔を真っ赤にして問答無用で僕を外に連れ出す
(いや、まあ暇はヒマだけどさ、、、)
(事前に言ってくれるとかそういう配慮は無いの?!)
と、僕は心の中で抗議の意を発し
しかしそれとは裏腹に
僕は従順な犬のようにサーシャさんに付いて行く。
(逆らえんわ、、、)
、、、、
、、、、
、、、
、、、
、、、、と。
サーシャさんに手を引かれ
たどり着いたそこは
僕「、、、、ここ、ですか?」
サーシャ「ああ」
、、、そこは、
死体安置所、だった、、、、