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リオウとナナミの物語 後編  作者: ふるたく
王国騎士として
10/15

大狼

その大狼の突進は雷を思わせた


その突進を受け止める選択肢は無い


ただ避けるのみ


ダン!!!!!!


僕は全力で地面を蹴り、大狼の脇に逃げる!


瞬間、


大狼の前足が僕の顔の前にあった



ダン!!!!!!!!!



僕「ぐ、、、、あ!!」


僕はその前足に弾かれて後ろに吹っ飛ぶ


ギリギリ、僕は剣でその前足の爪を防いでいたので


なんとかその打撃だけのダメージで済んだ。



しかし




ダン!!!!!と地面に打ち付けられる



僕「あ、、、、ぐ、、、」


ビリビリビリ、、、!!


僕「あ、ああ、ああ、あ、、、」


体に電撃が走ったかのよう


その打撃を受けた衝撃で体の節々から悲鳴が発せられる


僕「痛う、、、、、、、、」


僕は苦痛に顔を歪ませる。



その凄すぎる突進一つでこの大狼の恐ろしさを知ってしまう



そして、次の大狼の攻撃に備えるため、



顔を上げ



見ると




そこには




血。





大狼が血を流していた、、、、




右足を引きずっている、、、



僕「え、、、、、」




一体何が起きたのか



僕と大狼の向こう側にサーシャ先輩が悠然と立っている。



その手にした剣には真っ赤な血がついている



サーシャ「リオウ、立てるか?」


先輩は大狼から目を離さず声だけで僕に確認する。



先輩の声に、何とか立ち上がる。



僕「は、、、はい」



声も何とか絞り出す。



サーシャ「次は後ろ足を狙う。」




サーシャ「行くぞ!!」



先輩は疾風の如く大狼に立ち向かう。




細身の剣が大狼の肉を切り裂く



す、、、凄い、、、、



今日何度目かの衝撃を目の当たりにする



しかし僕は見ている訳にはいかない。



僕は直ぐに立ち上がり、大狼に向かって斬りかかった、、、、



--------------------------------------------------------


サーシャ「大丈夫か?リオウ」


サーシャさんに体の調子を聞かれる


僕「ええ、、何とか、、、、」


あの後、僕は何度か打撃を受けたが、僕が倒れるその前には、先輩の圧倒的な剣技によって大狼は完全に動かなくなっていた。


目の前には大狼の死体。


サーシャ「今回は運が良かった。最初にリオウを狙ってくれたからな」


そんな謙遜とも取れる発言だったが、それは真実だった。


いくら卓越した剣技をもつサーシャ先輩とは言え、あの突進を真正面から受け止める術はない。


しかしながら最初に大狼は僕を狙って来たために、先輩は前足を斬りつける事が出来た。


その為、その後の突進は最初のと比べて見る影も無いほど力強さが無くなっていた。


(とは言っても先輩の卓越した剣技あってこその話だが、、、)


僕一人では100回くらい殺されていたな、、


僕はそんな事を思っていた。



と。


サーシャ「そうそう、言い忘れていた。」


、、、、何となく、先輩には"言い忘れ"が多いな、なんて思ってしまう。



サーシャ「この敷地にはこの大狼があと10匹ほどいる。」


僕「、、、、え?」



サーシャ「流石に私と言えどもそれだけの数は倒せん」


サーシャ「だから、証拠を見つけ、この狼煙を上げる。」


サーシャ「それが、我々の勝利条件だ」


サーシャ「この狼煙が上がれば、応援が駆けつけてくれる手筈になっている」


サーシャ「良いな、証拠を見つけるんだ。犯罪の証拠をな。」


サーシャ「分かったな」



僕「は、、はい。」




サーシャ「、、、もう、我々の事はバレてしまっているだろう。」


サーシャ「時間が無い。行くぞ」


そう言って、先輩は先を歩く。


そして、僕が追いついたのを確認して駆け出す。





サーシャ先輩は最初から命がけだと分かっていた。


ここに侵入すればどうなるのかそれを全て知った上で。



ここに侵入している。



僕は、何も考えずに、入ってしまっていた。





僕は先輩に感謝していた、、、




そして、頭を切り替える。



僕の中で疑惑が確信に変わっている。



ナナミは、何か、辛い目にあっている、、、、



この大狼を配置する程見られたく無いものがある、ということだから



ナナミ、、、、、、、



ナナミ、、、、、、




はやく、、、ナナミに、、、





会いたい、、、、、、





僕と先輩は疾風となって森の中を駆け抜ける




その先に、離れの、館が、、、



ある、、、!!


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