「悪夢島へようこそ」(意味が分かるとちょっと怖い話)
はい、どーもダクウルです。
一回目を読むときは普通の物語として楽しめます!
二回目以降はこの物語にある、ちょっと怖い部分を探してみてください!
答えはあとがきで!
俺、あんまり都市伝説とか信じないタイプだったんだぜ。」
俺はカウンセラーにそう訴えた。
「でも、ある都市伝説を実際に体験した時を境にめちゃくちゃ怖くなったんだ。...やっぱりまだ怖くて...。夜、安眠できたためしがないんだ…」
「では、実際にどんな話だったのか、どんな体験をしたのか教えてくれますか。」
優しく俺に話しかけるカウンセラー。俺を傷つけないようにしないようとしているのが良く分かる。
「あ、オッケー。えっと、あれはたしか、ふとしたネットのサイトで見たんだよな…」
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「悪夢島」
そう、それがその都市伝説の名称だった。
丑三つ時に寝る際、メアナイトという悪魔に目を付けられると、悪夢島に連れていかれる。
そんな今らしくない、ものすごくシンプルな都市伝説。
でも、これはものすごく俺にとって恐ろしかった。
この悪夢島というのは、悪夢が具現化した世界で、そこへ行ってしまった対象者は、その人が思いつく限り全ての悪い出来事が起きると書いてあった。
一週間後ぐらいだったな。
いつもの青いパジャマを着て、俺は布団をかぶった。
俺はその日、会社で嫌なことがあったから、ずっとベットで酒を片っ端から飲んでいたんだ。
枕元に俺が愛用している。高級腕時計を置く。
そうだなぁ、あれはビールに飽きて俺が赤ワインを飲もうとグラスに入れた時かな。
俺は急激に眠気がしたんだ。
スッと眠りについてしまった。
目が覚めた時、俺はかび臭く、薄暗い、小さな小屋の中にいた。
それもそのはず、窓から見える景色はほぼ真っ暗で、雨の音がザーッと鳴り響いていた。
俺の服装は変わっていなかったが、目覚めたベットは気持ち悪いほど寝心地悪かった。
その小屋には窓、ドアとベッドのほかに、湿った木製の机、そして手紙があった。
俺はまるで何かに操られているかのような手つきで、その手紙を開封し読み上げた。
「悪夢島へようこそ、
ここでは、あなたが思う悪夢が、現実になります。
幸運を。 」
それを読み上げた俺は理解してしまった。ここは本当に悪夢島なんだと。俺は来てしまったんだとな。
俺が寝たのは丑三つ時だったんだ。
その時だった、ふと俺は思ってしまったんだ。この小屋の薄暗さ、ベットのきしみ方、なんか殺し屋でもいるんじゃないかって。
ガタンッ
その考えをした瞬間、ベットの下で物音がした。
心臓がバクバクとバカみたいに鳴った。震える膝を抑えつつも、ゆっくりとかがんでベッドの下を確認してしまう。
この時ほど、予想が外れますようにと願ったことはなかった。
でも、嫌な予感って必ず当たるんだよな。
ベッドの下から急にナイフを持った手が飛び出してきて、俺の肩に直撃したんだ。
赤い血が俺のパジャマを紅に染めた。
もし夢ならこの痛みで起きてくれ!ッと願ったけど何も起きなかった。
俺は立ち上がり、電光石火の速さで外へ駆け出した。どこかに逃げれる場所を求めていた。
悪夢島というだっけあって海に囲まれた小さな島で、木々が青々と生い茂っていた。
でも、夜の薄暗さはその木々を怖くさせた。どれぐらい怖くっていうと、彼らが人面樹に見えてくるほどだ。
そう、もう察していると思うが、俺がそう思った瞬間、そいつらは人面樹になった。大きな枝を振り回し、俺を叩き潰そうとしてくるそいつらは、明確な殺意があった。
俺は直感してしまった。この悪夢島で死んだら、絶対に現実世界に戻れないと。なにか違う方法でここを出ないと、とな。
俺は走りながら、一生懸命考える。
ボートでも作るか?いや、どうせ、かちかち山みたいに急に沈みだしてしまうかもしれない。
かといって、延々と殺し屋&人面樹から逃げ続けるわけもできない。
八方ふさがりだ。
もし、この状況に追い打ちをかけるように落とし穴とかがあったら、ほんとに終わる...
バキバキッ
そう考え終わったときには、俺は穴の中に落ちていた。全身が打撲で痛い。足もずっと全速力で走ったからもう動かせない。
ザッザッザ
殺し屋が追いついた音だ。
彼は穴の上から俺のことを見下ろしてきた。
ナイフを振りかぶり、穴の中に飛び降りてきた。
俺は人生で初めての走馬灯を見た。
かつて「悪夢から覚める方法」というのを読んだことがある。
悪夢の中で寝るというものだ。そうすれば、夢はさめるが、その代償としてその悪夢のことを鮮明に覚えてしまうというものだ。
俺はナイフが目と鼻の先に来たところで目を閉じた。
スッと眠りについた。
目が覚めた時、俺は俺の部屋にいた。いつもの部屋。目を凝らして壁にかかっているちょっと安めの時計を見てみると、「07:00」を指している。
俺は心の底からホッとした。あれはきっとただの悪夢なんだろうと思った。
出勤の時間が近いから、俺はさっさとお酒のビンや、空っぽのワインガラスをかたずけ、赤いパジャマを脱いだ。
その時だった。
肩がズキッと痛んだ。
背筋にタラリと汗がつたった。
外傷は特になかったが、痛んだ場所は、俺が殺し屋に刺されたところと一致していたんだ。
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「...なるほど。話は分かりました。」
「それからというもの、また悪夢島に意図せずに行ってしまうかとしんぱいでたまらないんだ。」
俺は焦った表情でカウンセラーを見る。
彼はなぜか落ち着いて、ほっとしたような表情をしている。
「安心してください。あなたには何の問題もありません。」
「え、そうなのか?なんでだ?」
「そうですね…まずはストレスやお酒を飲むと悪夢を見やすいっていう話からしますか。」
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「まずですね、ストレスを抱えていたり、お酒を飲んだり、病気だったりすると悪夢を見やすい可能性があります。」
淡々と話し始める。
「そして...稀なことではありますが。寝ている現実世界の出来事と夢がリンクしていることもあります。ほら、落下する夢を見た後、起きてみたらベッドから落ちていた、みたいなことありますよね?それの逆のバージョンってことです。」
確かにあるな...俺は共感した。でも、それが、俺の悪夢島の夢と何の関係があるのかがわからなかった。
「恐らくですけど、私の推測では、あなたは現実世界で枕元にある机を肩を何らかの形でぶつけてしまった。その際に赤ワインが倒れてきて、あなたの肩に落下。それが、悪夢島でナイフに刺された悪夢、として反映されたのではないでしょうか?」
俺は驚いた、そして途端に馬鹿らしくなった。筋が通っている。
なんで、俺はバカみたいな都市伝説を信じ、無理やり全部の現象を、それのせいにしていたのだろう?
「じゃあ、悪夢島に行かなくなるためには…」
俺は口を開いた。羞恥心があったが、それを悟られないようにとした。
「ストレス発散のために運動をしたらいいですね。あとはお酒を控えることですかね。」
俺は礼を言い。家に帰った。
久しぶりに運動がてら、掃除でもしようかな?
読んでくださりありがとうございます。
ちょっと怖い部分は見つかりましたか?
では、答え合わせと行きましょう。
悪夢島はカウンセラーの言うとおり、現実世界のリンクです。
ワイングラスが落ちてきたのも事実です…が、普通、肩に朝まで続く痛みを感じたら目覚めませんか?
特に夢を見ているというのは眠りが浅い証拠です。ってことは普通なら起きれるんですが...
はい、実はこれ普通の眠りではなく、睡眠薬を仕込まれた眠りなんですね。
お酒の中に仕込まれていました。
さらにおかしい点はもう一つあります。なぜ「俺」は朝起きたとき、目を凝らしてまで遠くの安物の時計を見たのでしょうか?枕元に会った高級時計は何処へ行ったのでしょうか?
この二つのことが記すことは簡単です。
い え に は 「だ れ か」 が い る
もし、「俺」がそんなこと知らずに掃除したら...
悪 夢 島 が 現 実 に な る か も 。