0008イトウ・ノリスケ
「私月兎ちゃんのスキル一つと増えてる!」
「僕も!」
「私も!」
「マジか使えるスキルだろうな! 鑑定!」
【月夜月兎
職業
勇者
レベル 70
スキル
タライ魔法
指定タライ魔法
信用度A】
【餅花満月
職業
勇者
レベル 70
スキル
ボタン魔法
指定ボタン魔法
信用度A】
【新月月実
職業
勇者
レベル 70
スキル
爆破魔法
指定爆破魔法
信用度A】
なんだこりゃ誰に指定すんだこれ?
信用度どういうこと?
「さっそく使うね! 三日月っち! ふむふむ指定できるのは一人だけか! 当然ポチっとな!」
「僕も使うよ! 指定する人は当然彼さ! ポチっとな!」
「私も当然ポチっとな!」
「あっ!? ちょっとまて!? 落ち見え見え――グバラ!? やっぱりね!?」【大爆発】
俺が大爆発した。
◇
「っで! これを手に入れたと?」
「そうです!」
「お前な……あんなもん持ってきた次の日に魔王軍幹部討伐とかとかどんだけ高速だよ……常識考えろ……その魔石を売りたいとマジでどうなってるのお前ら?」
俺たちは帰ってすぐそのことを報告するためにギルドマスターに連絡を取り言霊の契約をむずび全て打ち明けたが、開いた口がふさがらないとっ言った感じだ。
俺たちが拾った宝石のようなものは魔石とかいうのか実にファンタジーだな。
「あの素材にくりゃぺら格下だが……これでも十分S級だぞ? いくら高レベルの魔物の素材の金額が大幅に高騰していていくらでも買い手がいるとしてもな……うちとしては売ったてくれるなら大助かりだが……この代金どう払えばいいんだよ」
「なんで高騰してるんですか?」
「噂では魔王軍と決戦兵器に使うとか言われているが、実際はわからん。何故が名だたる貴族が金に糸目をつけず魔物の素材を買いあさっていてな。うちとしては大助かりだがな……この値段の上がり方は異常だ。何かが起こっているのは間違いない。っで肝心の今回の買取代金だが……」
「それ寄付します。孤児院とか復興に使ってください」
「何を馬鹿なことを正気か? 儂が着服するともしれんだる」
「そりゃないですよ! 見えていますから!」
俺はギルドマスターの信頼度Aという項目を眺め言った。
「マジかよ……嘘は感じん……そんなもんどうやって見るんだよ……お前元の世界に帰れなかったらうちに来な。好待遇でやとってやるよ。今回の代金は儂のほうでうまく使っておこう。っでこれが昨日の素材の残りの代金だ。白金貨じゃ個人で使うのは危険だからな今回も大金貨でいいか?」
と金貨の袋を置くギルドマスター。
うなずき数える俺計大金貨180枚か。
一億八千万ほどもう働く必要ないなこれ。
「それとラースの件だが、犯人のめぼしはついておるそれは儂のほうで仕置きをしておく。それより聞きたいのだがブックラックに大量の魔石を放置してきたとかマジか?」
「俺たちじゃ拾いきれる数じゃないです。100万人分あるぽっいので」
「ふむ、後日偵察隊に確認させよう。それにしてもいくら亡者を倒しても経験値の入らんため、誰も攻略する者が出ないと思われたブックラックに攻略者が出るとは長生きはするものだわい。その魔石の代金は儂ら冒険者ギルドでブックラックで復興のために使うと約束しよう。それと先日のツッコミという外れスキルの件だが、その本の執筆者の居場所が分かった。だがその者は現在魔王軍幹部剛腕の鉄鬼マスターゴーレムに拘束されておる。どうせ行くつもりだろ期待しておるぞ!」
と言ってギルドマスターはその執筆者について書かれた紙を渡してきた。
イトウ・ノリスケ? 完全に俺たちと同じような人だなこれ。
そのまま部屋を出ると。
「やっと来た三日月っち! えい!」
と月兎が抱き着いてきた。
そういやこいつらがいるといらんこと言い出しそうだから部屋の外で待たせてたんだっけ。
「なんだよ月兎。いきなり抱き着いてきて……」
「えへへへへへへへダメ?」
全くこいつは見かけは完璧だからな。
「まあべつに悪かないが……」
「ずるいよ月兎ちゃん僕も僕もえい!」
「私も私もえい!」
と満月も月実も俺に抱き着いてきた。
「なんだよお前らいきなり?」
「それより満月っち私とデートしようよ!」
「ずるい僕も僕もデートしたい!」
「私も三日月ちゃんとデートしたい!」
「なんだよいきなり……」
「だから明日デートしよ! 私たちの一人と! でも人も当然全員ね! 三日月っち!」
「そういうわけで決定だね! 当然僕を最初に選んでくれるよね!」
「ここは私だよね! 三日月ちゃん!」
「なんかしらんがこいつらべたべたとめんどくさくなってやがる……」
◇
「ちょっと遅れた! 三日月つち?」
「何言ってんだよ月兎一緒の部屋から来てんじゃん」
「にゃはははは! そうだね!」
あれからなし崩し的に3人とデートすることになり、じゃんけんで決まったのが月兎満月月実という順だ。
「じゃあどこ行く?」
「さてどうするか……俺たちの世界でいうところの中世の文明レベルの世界だからな……スイーツ店なんてなさそうだし……無難に劇か」
「えーーーーー!? つまんない!? 血沸き肉躍るところ行きたい! 当然三日月っちだけ限定で!」
「お前はデートに何を求めてやがる!?」
くっ!? こいつにまともなデートを欠片でも期待した俺が馬鹿だったよ!
「じゃあ仕方ないこれだね!」
「って!? それはやめろ!? 変なことらなったらどうすんだ!?」
月兎は手元にスイッチを。
「むふふふふふふふふふ! これで大盛り上がりのデートができるね! ポチっとな!」
「「バフ!?」」
俺たちの頭にタライが落ちた。
『適当な場所に2名を転移します!』
「なにその雑な扱――」
俺たちは光に包まれた。
「っで! この不気味で肉肉しい場所はどこだ?」
ピンク色の明らかに肉と分かる壁に囲まれた周りを見ながら俺はそういう。
なぜが血管らしき物から流れている得体しれない何かが発光し当たりを照らしているので、足元がはっきり見えるほど明るい。
「これきっと生き物の体内だよ! どくどく脈打ってるし! 勇者して最高のデートスポットだね!」
「お前はデートに何を求めてやがる!? てか、ほんとここどこだよ?」
「おーい! そこに誰かいるのかい?」
と男の声がする。
「誰かいるみたいだないくぞ! 月兎! って!? お前は何してやがる!?」
「だってデートだよ! 腕組むのは王道じゃん!」
と満面の笑顔で腕を組む月兎全くそんな表情されたら。
「こんな状態でデート続行とかどういう精神してんだよ……ただし戦闘になったら離せよ?」
「おーい! 聞こえてる! 僕はここだよ! できれば早く来てくれないかな?」
俺たちは声の方向へ向かった。
「やっときてくれたか……僕はイトウ・ノリスケしがないゴーレム技師さ! 見てわかる通りつかまっているけどね……」
「あなたがツッコみスキルのことを書いたとかいうイトウ・ノリスケさんですか?」
肉の檻に閉じ込められたその人物にそう質問する。
よしこれでツッコミ師の謎が解ければいいが……。
「ツッコミか……こっちにない文化だから誰にもう相手されなかった僕の研究の本か懐かしいね……何故それを君は知っているんだい?」
「実は俺たち日本から来たんです」
俺たちはこれまでのことをイトウさんに話した。
「なるほどそれではるばるマスターゴーレムの体内に……」