0002始まりの町ビーク
「なにってねえ?」
「そうだよね?」
「だよね?」
「お前らの問題だろなんで俺に返す!? どう考えてもお前のせいだろ!?」
やばいぞ周りのフードたちが騒ぎだしてる。
そりゃそうだよないきなり国王爆発してるのだもの。
「三日月っち! まだ私たちのせいとは決まってないよ!」
「そうだよ三日月君僕ちょっと傷ついたよ!」
「そうだ! そうだ! 三日月ちゃんの癖に!」
「そうなのか……悪い……」
いや何誤ってるの俺。
「「「そんなのこうすればわかるよね! ポチっとな!」」」
3人はもう一度手のボタンを押した。
「「「グバラ!?」」」【大爆発】
フードで顔を隠した周りの人たちが残らず大爆発した。
「やっぱりお前らのせいじゃないか~~~~~~~~~~~!!!!!!!!??????
◇
「どうすんだよ! 俺たちいきなりお尋ね者じゃねーか!」
俺は酒場のボードに張られた俺たちの手配書を指さす。
「三日月っち大丈夫だよ! 手配書全く似てないし!」
「そうだよ! 僕たちには角なんて生えてないよ!」
「そうだよ! 私たちこんな凶悪な顔してないもん!」
「お前らな……俺のスキルがなかったら完全に積んでんだぞ……」
あれから俺はスキルを確認して記憶操作という聖魔法の項目発見し、あの場の俺たちを除く人間の記憶を操作した。
本当なら消し去りたいところだが改変しかできないようなので、記憶は消せず国王に無礼を働いた賞金首として指名手配を受けることらなった。
手配書のかなり人相は違うのでだ大丈夫たとだと思うが……。
それにしても聖魔法に記憶操作とか事実を隠蔽する項目がなんであるかわからん助かったけどさ。
「それより今日冒険者ギルドに登録する日だよね! 早く受付に行こうよ! 三日月っち!」
「まあそうだがすぐそばなんだから慌てんなよ月兎!」
ここは冒険者ギルドに併設された食事処兼酒場。
すぐ近くに冒険者ギルドに登録のできる受付がある。
「そうだよ三日月君僕たちの制服を売ったお金に余裕があっても資金元がないと……」
「確かに高値でうれたが今後の生活必需品とか宿代考えるとな……」
「それにしても異世界でも制服って男の人に人気なんだね……」
「そうだな絶対俺から離れるなよ! お前らのスキルはわけがわからなすぎる……」
城の中は兵士すべてにこいつらの魔法が効いたのか全員気絶していたので出ることは簡単だった。
入り口を出るときは聖魔法透明をかけて騒ぎになりかけたその場から退散出来たが如何せん制服が目立つ。
困っていると近くの服屋が血相変えて俺たちの制服を譲ってくれと来たので売り渡したわけだ。
3人分で金貨30枚という破格ちなみに俺の制服は金貨一枚。
娼館に高く売るとかなんとか。
その金でこの世界の服を手に入れ宿をとっているというわけだ。
王都を馬車ででて弱い魔物しかいないといわれる始まりの町ビークにきたわけだ。
金貨一枚は大体日本円で10万ほど。
結構な大金だが治安を考えると安宿は考えられずそれなりの宿をとるしかないので、結構金を食う。
そしてこいつらように魔法使い用の動きやすいローブと俺の皮鎧とロングソードを購入。
俺のステータスとスキル自体はレベル1でも強力なのでなんとなるだろうと。
よって冒険者ギルドの出番というわけだ。
「じゃいこっか! 三日月っち!」
「満月も月実もいいよな?」
「僕もいいよ!」
「私も!」
「すいません! 俺たち冒険者登録したいんですけど!」
「はい4名様ですね! こちらに必要事項をご記入してください!」
必要事項は大まかなスキルと名前の記入のみ。
受付のお姉さんによるとシンプルだが一度登録すると変更はできても解約もできない。
有事の際の戦力とするためまともに動けるうちは戦力として数えられるそうだ。
本人の意思次第で断ることは可能。
文字はラノベテンプレの読み書き自動翻訳だ。
ばれたら面倒なので当然のごとく適当な嘘を書く。
「はい! ここに指を当ててください! 魔力の登録しました! これで登録は完了です! 依頼はどのランクでも受けることは可能です! ただし自分より高ランクの依頼については失敗した後のギルドより保証は一切行うことはできません! 同ランクの場合依頼失敗時状態により一部保証が受けられることがあります!」
「ところで魔王軍に占領された5つの都市について聞きたいのですが……」
「ではそちらの張り紙をどうぞ! それ以上詳しい情報がご必要でしたら再度声をかけてください!」
「おっとまった! 兄ちゃん! ギルドに入ったばかりにしゃ上玉そろえすぎじゃねーか? 先輩の俺に一人分けてくれよ!」
と酒臭い禿げた屈強なおっさんが絡んて来た。
「俺の仲間なんで無理です」
「いいじゃねーかよ! 一人ぐらい!」
「どいてください邪魔です」
「てめえ! 人が下手にでりゃ調子乗りやがって! てめえをぶっころして女どもを味わうだけだ! 死ね!」
禿げたおっさんは腰の剣を抜いて振り上げた。
月兎と満月月実が心配そうに袖をつかんでいるようだ。
「どいてください!」
俺はスキルを発動する。
「うるせえ死ね!」
おっさんは剣を振り下ろそうとするが、からんと金属音が響いた。
「何をしやがった!? 震えが!? 震えが止まらねえ!?」
おっさんは剣を落としがたがた震えながら膝を落とした。
俺が使ったのは聖剣術スキル威圧。
格上のステータスを持っていなければ相手に震えるほどの大きな圧迫感を持たせるスキル。
こいつはレベル1の俺でも威圧できる程度の雑魚ってことだ。
「もう黙れ!」
俺は威圧を使ったまま耳元でそういった。
「化け物……」
おっさんはさのまま気を失い付近にアンモニア臭が立ち込める。
失禁したようだ。
「おい! 見たか! 素行さえよければとっくにBランクに上がれる実力を持つラースが何もしないでやられたぞ! やべえ新人だな!」
「これじゃ手が出せねーな! 折角の上玉なのに……」
「うらやましい奴だぜ! おこぼれにあずかりたいぜ!」
このラースとかいうおっさんがSABCECでランク分けされる冒険者の上から3段目の実力か、さすが勇者チートというべきか。
なんかさっきなきから後方より熱っぽい視線を感じるのだが後ろにいるのはあいつらだけのはず気のせいだろ。
「ところで三日月っちどうしてそんなの調べるの?」
「そりゃ魔王倒さないと帰れないだろ。いつまでも不便な異世界にいたら風呂だって気軽に入れねえ!」
俺はボードに張られた魔王軍についての紙を一枚一枚見た。
なるほど分かった。
どうやら5つの都市を占領している魔族は五将軍といわれる5人の幹部らしい。
魔王城については情報を高く買うと書かれているので場所はわからないようだ。
俺は依頼書の一枚を取った。
「で? 僕たちはどうするの三日月君?」
「とりあえず俺たちのレベル上げとお前らのスキルについて調べないとな……つーわけで初クエストスライム退治だ! 月実もいいな!」
「うんいいよ! やっと思い切り私たちの魔法が使えるんでしょ?」
次回でタライボタン爆破魔法の説明