また泡沫
会いたいけど
会えない
そんな日々に
嫌気が差して
私はふわりと
気ままに宙へ
おとぎの国で
暫くを過ごし
昼に見る夢が
膨らんでいく
幼心を
大切に
虹色の幕に
しまいこんだ
真実に涙して
嘘に嗚咽して
悲嘆に暮れる
黄昏の日々を
かわしてこれたけど
息を吐き出す
外界に触れたときに
シャボンは萎んで
ちゃぽんと海へ
助けて
助けて
はなった言葉は
全部
七色の
幕が閉ざして
キラキラ
輝く
話したい
話せない
私は今日も
おとぎの世界
今にも
消えそうな
藍のシャボンが
淀んでいく
おとぎの世界の
君は
この社会で
生きていけない
あなたの
ことばが
いまでも
胸を差す
泣きたい
泣けない
そんな日々が
嫌になって
忘れたい
何もかも
このシャボンで
どこまでも飛んで
笑いたい
笑えない
もう私は
藍の泡沫で
半球の
淀みのなか
ぱちんと
弾けてしまうのは
空も舞えない
シャボンの音
嘘もつけない
嘘つきの声