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10 寝返り
夜、ベッドでわたしが寝返りをうつと、猫にのし掛かってしまった。
「ヴぅ」
猫の呻き声がした。猫はわたしの足に寄りかかって寝ていたのだ。
「ごめん!ごめんなさい!本当にごめん!」
わたしは猫にひたすら謝った。すると猫から返事があった。
「くぅ」
猫はわたしを許してくれたのだろうか。噛みついてはこなかった。ただ眠かっただけかもしれないが。とにかくわたしはほっとした。しかし猫がわたしの右足に寄りかかっているため、右側に寝返りをうてない。仕方なくわたしは左側に寝返りをうつ。すると猫は、左端に寄ったわたしにまた寄りかかる。これは……猫がベッドの真ん中に来てしまった。涼しくなり、これからは身を寄せ合うようになるが、まだそこまで寒くない。まだベッドの奪いあいが続くのか……。
とりあえず寝よう。寝て無意識に寝返りをうつしかない。




