前へ目次 次へ 91/152 6 水が飲みたい わたしがトイレから出た時だった。キッチンのシンクの上に猫がいる。そしてわたしに目配せする。猫の言いたいことはわかっている。 「水を出せ」 である。最近朝晩と水道の蛇口から直接水を飲むことが多い。蛇口を捻るのは当然下僕であるわたしの仕事だ。猫もそれをよくわかっている。水のみ場があるのに、何故か流れる水が好きなようだ。しかもキッチンのシンクの下に降りることなく、体を伸ばして上手く水を飲む。適応力の高い猫だ。 そして今日もわたしは猫に使われる。