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33 来客

 友人がウチに来た。家飲みをするためだ。家飲みだと安くつくのだ。家のチャイムが鳴った。すると猫は玄関の前へと走っていく。わたしが玄関の扉を開け、友人を招き入れると猫は逃げる。そしてケージと窓の間に隠れる。ウチの子(猫)は人見知りなのだ。

 猫はそのままにしてわたしと友人は飲み会を始める。まずはスパークリングワインで乾杯だ。飲み会を始めてしばらく経った頃猫はやって来る。友人がいることに慣れ近づいてくるのだ。まずはわたしの足元に来る。そして友人に近づいていく。友人が手を出すと尻込みする。まだ警戒しているようだ。猫は友人の傍を通り過ぎる。見守っていると、猫は友人の荷物に近づいていく。そして匂いを嗅ぎ始める。角度を変え匂いを嗅ぎ続ける。終いにはバッグの中に顔を突っ込む。


 ふんふんふんふんふん


「……なんか、ごめん」

「別に構わないよー」


 友人は優しい。ありがとう!お礼に猫を撫でさせてあげたい。友人が手を伸ばし、猫を撫でようとする。しかし猫は逃げる。

 やはり猫は自分勝手だ。でも仕方がない。猫は自由なのだ。


挿絵(By みてみん)


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