表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/152

18 薬

 月に一度ノミやダニを駆除、予防するために猫に薬をつけている。

 その薬は固定電話の下の棚に入っている。わたしが薬を出すと猫は逃げる。やはり薬は苦手なようだ。わたしは猫が逃げることがわかっているので、薬を箱から出しすぐにつけられるようにテーブルの上に置く。そして猫が近づいてくるのを待つのだ。わたしが猫を待つのは、追いかけ回しても無駄だからだ。以前猫を捕まえようと追いかけ回し、結局は捕まらずわたしが疲れただけだった。だから猫が油断して近づいてくるのをひたすら待つ。

 しばらくすると、猫はごはん欲しさにわたしにすり寄ってくる。

 今だ!

 わたしは猫をガシッと捕まえる。猫は異変を感じて逃げようとするが、そうはさせない。わたしは、猫になんとか薬をつける。猫はわたしが手を離すと同時に逃げていく。

 そしてここからは、猫へのご褒美だ。いつものカリカリではなく、ウェットフードをあげるのだ。

 わたしが猫のごはんの皿を手に取ると、猫はわたしから逃げ出したことも忘れてすり寄ってくる。ウェットフードを猫に見せると、猫はわたしにぶつかるようにすり寄ってくる。

 もう薬のことは忘れているようだ。さすが食欲魔神。ごはんを出せば、ウチの子(猫)の機嫌はすぐに良くなる。

 わたしにとっては楽だが、ごはんをエサにウチの子が浚われるのでは、と心配する今日この頃だ。


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ