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16 チーズ

 ウチの子(猫)はチーズが好きだ。というか、乳製品が好きなようである。子猫の頃の名残なのかはわからないが。

 わたしが家で晩酌をする時、猫は必ずやってくる。もちろんごはんが目当てだ。少しでも自分が食べられるものがないか物色する。

 わたしがワインを飲みチーズを食べていた時、猫はいつものようにやってきた。そしてチーズを見つけた。猫はわたしがクラッカーに乗せたチーズの匂いを嗅ぐ。まずい。このままでは猫にチーズを食べられてしまう。わたしはチーズが入った箱の蓋を閉め、クラッカーを高く持ち上げる。これで大丈夫だろうと思った時、猫がわたしの手にあるクラッカーをめがけて後ろ足で立ち、前足でクラッカーを取ろうとしたのだ。わたしは、クラッカーを床に落としてしまった。猫は、すぐにテーブルから降りてクラッカーをめざす。わたしは、間一髪でクラッカーを拾い上げた。猫は、床の匂いを嗅いでいる。

 今のうちに食べなくては。

 わたしは、床に落ちたものは捨て、新たにクラッカーにチーズをつける。すると猫はテーブルに上がって来る。わたしはクラッカーを口の中に入れてワインを飲む。猫はそんなわたしの前に居座り、わたしの口の匂いを嗅いでいる。

 あぁ、もっと優雅にゆっくり食べたい。

 のんびり食事をする方法はないだろうか。


挿絵(By みてみん)

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