3 ケン〇ッキー
ケン〇ッキーで新しいチキンが発売された。これは食べてみなければ、と買いにいく。持ち帰ってゆっくり味わうのだ。
家に帰りチキンが入った箱を開けると、猫がやってきた。箱に顔を突っ込んで、匂いを嗅いでいる。まずい。ウチの子(猫)は肉が大好物なのだ。わたしは箱を持ち上げ、後ろを向きチキンを食べる。うん、美味しい。と味わっていると猫がわたしの正面にやってきた。しまった、と思った時には遅かった。猫がわたしが食べている肉の反対側から噛みついてきたのだ。猫を叱ろうにも口はふさがっている。手も肉を持っている。
肉を挟んでのにらみ合いが続く。
猫も肉を放す気はなさそうだ。思い切り噛みついている。とその時、猫が噛みついていた部分の肉を噛み切り、逃げた。
「こら!だめ!」
わたしはようやく肉を口から放し叫ぶ。しかしそこからが早かった。猫はさっさと食べてしまったのだ。こんなに味付けが濃いものを……。そして猫はわたしの手にある肉を狙ってくる。わたしは歩き回りながらチキンの残りを飲み込んだ。
もっと味わってゆっくり食べたかった。次回からは持ち帰りは止めようと決意したのだった。




