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14 噛みぐせ

 ウチの子(猫)は、噛みぐせがひどかった。わたしに遊びの延長で噛みつくのだが、加減することを知らなかった。わたしの手は擦りむけたり、血が出たこともある。

 わたしは、まず動物病院の先生に相談した。すると先生やスタッフの方は、「痛い」と言って、そういう素振りをすると、猫もわかってくると教えてくれた。わたしは猫に噛まれた時、早速「痛い!」と言って、痛がって見せた。しかし次にわたしを噛む時も、猫は手加減をしない。何度かやってみたが一向に改善しない。

 どうしたものか悩んでいる時、猫がわたしの手に思いきり噛みついてきた。わたしは猫を捕まえ、わたしが噛まれた手と同じ猫の手を噛んでみた。


「キャン!」


 猫はびっくりしたようだ。だが、わたしの痛さを猫にもわかってもらわなければ、と思ったのだ。すると、それから猫は変わった。わたしを思いきり噛むのではなく、甘噛みになったのだ。

 普通の子猫は、兄弟との遊びの中で噛んだり噛まれたりして甘噛みを覚えるが、ウチの子は早い段階でウチに来たので、遊びの中で学ぶことが出来なかった。だから、わたしが兄弟の代わりをしたのだ。

 しかし後で本を読むと、「人間が噛みついてはいけない」と書いてあった。わたしは冷や汗が出る思いだったが、ウチの子が良い方へ向かって良かった。

 ウチの子がわたしを仲間だと思っているのは、これが原因かもしれない。


挿絵(By みてみん)


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