田守優子くらぶ（二百文字小説集）

なまはげ

　田守優子は私の親友。変わっているが、悪い子ではない。

　口では否定している優子だが、赤塚武君との仲が進展しているらしい。

　かつて赤塚君に思いを寄せた時期もあったが、今となっては完全に良き思い出。

　優子と赤塚君は二人きりで秋田まで一泊旅行に出かけた。

　お土産を持って来てくれたので、いろいろ訊こうと思ったら、

「また騙されたよ。なまはげって、禿げている人じゃなかったんだね」

　そんな事思っているの、あんたくらいだよ。