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シャロンと夢

 

 ──もう気付いてるんだろ?


  一瞬、息を止めた。

  確信を持った声音は、誤魔化すことを許さない。

 タラリと、背中に冷や汗が伝った。


 それでも私は


「んー、何のこと?」


  笑って誤魔化すのだ。


  瞬間レヴェルトは顔をクシャリと歪めた。泣き出しそうなその顔を持っても私は笑顔を崩すことが無かった。

 

「……ばかやろう」


 ポツリとこぼしたレヴェルトは、静かに部屋を出て行った。

 ドアを見つめながらごめんねと目を瞑った。



 *



 高等部の庭は、腕の良い庭師によって整えられているようで、細部にわたるまで美しさが意識されている庭園を散歩する。

  晴れ渡った美しい青空のもと、清々しい風に吹かれながら、私は見つけてしまう。


  垣根を越えたその先に、抱き合う男女。

 

 女性の方はとても可愛らしく、どんな人も守ってあげたくなるような雰囲気の方だった。

  頬を染めて男性を見上げる様子は、間違えようのない、恋をしている姿だった。

 そんな彼女を守るように腕を回しているのは、私の想い人である、ルイス様、その人であった。



 そして女性は彼の腕越しに私を見つけると、




 ニッコリと美しく、微笑んだ。





 *




「──っは!」


 はあはあと肩で息をし、先程のが夢であったと徐々に認識していく。

 ──いや、ただの夢じゃない。


 これはルイス様に自分が王太子であると告げられた時に視た予知だ。

 この予知を私はそれから何度も見ることになった。


 起きていても、眠っていても、彼と彼女が仲睦まじく寄り添う姿が目の前に現れる。


 廊下を歩く姿、勉強する姿、お昼ご飯を食べる姿、


 一緒に悲しんで、笑って、喜ぶ姿。



 これは夢?予知夢?



 それとも




 ──悪夢?







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