表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

12ヶ月

12月の愛音

作者: 山側 森



今年は君に会えてよかったなぁ。。。



君を待ち、木にもたれ、行き交う人を眺めながらもつくづく思う。

もしかすると去年も一昨年も僕たちは出会えていたのかもしれないね。

でも横の人に目もくれずに歩く日々だから、正面に向かい合えたのは今年が初めてだった。

あの日も天気予報は見事に外れ、活躍の機会を失った傘たちは木漏れ日に照らされながら、せめてもとカラフルな色を反射させていた。

長年嫌いだった雨を僕は好きになった。

太陽を見ても、雫を見ても、出会ったあの日を思い出すから。



君に会えてよかった。

たとえ別れが来るとしても。

ずっと一緒にいれるとしても。



今年増えた僕の特技。

雑踏の中、たった一人の足音を聞き分けられるようになったこと。

きっと街は愛する人の足音で溢れていて、きっとそれぞれが、それぞれの最愛の人の音なんだろう。

あぁ、なんて素敵な世界の愛の音、足音。



ありがとう。

君にありがとう。

許されるなら来月からも僕に向かって歩いてきて。

今みたいに、走ってこなくてもいいから。

遅れても僕は、ずっと君を待っているから。



響かせて、愛音。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ