科学的彼女2(五百文字お題小説)
お借りしたのは「長い髪の女」です。
ある方のご要望にお応えし、ちょっぴり長くしてみました。
僕の彼女は理系女子。大学ではいつも白衣を着ているちょっと変わった娘だ。
でも、長い黒髪をポニーテールにし、楕円形の黒縁眼鏡をかけている超美人。
自慢の彼女なのだ。
今日はしばらくぶりのデート。
前回は遊園地に行ったのだが、彼女が止まってしまったメリーゴーランドの修理に熱中してしまい、僕は完全に放置されてしまった。
そのお陰でその遊園地の年間フリーパスポートをもらえた。
「好きで手伝っただけですから」
最初彼女は受け取ろうとしなかった。
遊園地の人達が泣きそうな顔でいるのに気づいた僕が、
「ありがたくいただこうよ」
右の耳に囁いた。すると彼女は、
「わかりました」
微笑んで受け取った。僕も遊園地の人ホッとして顔を見合わせた。
遊園地を出たところで彼女が僕の右側に来て、
「頼み事をする時には右耳に囁く方が左耳に囁くより二倍効果があるという結論がイタリアでの実験で出されたのよ。知っていたの?」
僕は苦笑いした。
「じゃあ、キスして」
調子に乗って彼女の右耳に囁いた。すると本当にしてくれた。
「それはどちらの耳でも了解するわよ」
顔を赤らめて言う彼女に惚れ直してしまった。
さて、今日はどこに行こうか。彼女と出かけるのは本当に楽しい。
どんどんマニアックにしていきますね。