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公園にて Ⅱ

 朝から雨が降り続いていた。公園にはいくつか水たまりができている。雨が止む気配はない。水たまりは、どんどんその面積を拡大している。

 白いワンピース姿の少女はすべり台の下にいた。膝を抱えて空を見上げている。雨は幾分強くなっていた。無数の矢が空から降り注いでいるようだった。

 少女の横には、一匹の猫が丸まっていた。全身茶色の毛で、背には黒い斑点模様がいくつかある。目を何度も閉じたり開いたりしていた。とても眠たそうであるが、必死に我慢している。まるで少女を一人ぼっちにしたくないかのように。

 少女は猫に手を伸ばした。細く長い指がまず額にふれた。次に手のひらで優しく頭を包み込んだ。そして何度も何度もゆっくりとなでた。猫は気持ちよさそうに目を細める。その様子は笑っているようにも見える。やがて完全に瞼を閉じた。

 少女は再び空を見上げた。空からは依然として矢のような雨が降っている。少女はその様子を確認すると、かすかに頬を緩めた。

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