つかみ取り(二百文字お題小説)
沢木先生のお題に基づくお話です。
「つかみ取り」をお借りしました。
律子はスチャラカなOLである。
会社帰りにスーパーに立ち寄った彼女はタイムサービスでつかみ取りをしているのに気づいた。
「一度に掴んだ分が何個だろうと一個分の代金ですよ!」
店員が威勢のいい掛け声で近くにいるお客さんを誘っていた。
ゲーム的な設定に目がない律子は早速挑戦した。
そして見事一度に十個も掴んだのだった。
「でもさ」
アパートで先に待っていた恋人の藤崎君が呆れ顔で言う。
「りったんて納豆嫌いだったよね」
もう誰が何と言おうとお粗末です。