野球場にて
「なぁ、瀬奈」
「なにかしら?」
「本当に急がなくていいのか?」
「だから大丈夫って何回も言ってるでしょ?」
「いや、でもなぁ・・・」
今、瀬奈と俺は食堂にいる。
瀬奈の朝食のメニューは、パンにサラダだけという簡単な食べ物だった。それに対して俺は、ご飯に味噌汁、鮭、漬物などなどの鮭定食。
こうして食堂で朝食をとっているが、どうやら今、グラウンドで何かが起こっているらしい。
「ごちそうさまー。あ、瑛司くんも食べ終わった?」
「あぁ」
「じゃ、グラウンドいきましょうか」
今いるグラウンドには、サッカー場、野球場、あと校庭のようにただの広場がある。
しかし、野球場のところにだけ人影がたくさんあった。
「なぁ、瀬奈。野球場の方・・・」
「そう、今野球場で戦闘中よ。早くいきましょう」
瀬奈はそういうと、野球場に向かって走っていった。
「今日は瀬奈さんたちは何をしているのか・・・」
子猫は校舎の中をウロウロ・・・迷子になりながらそう呟いた。
そのときグラウンド、正確には野球場にほうから大きな声が聞こえた。今日は一体何をしているのだろう。
「・・・行ってみますか」
それから、10分もかからない道のりを約1時間かけて、野球場に着いた。
「野球・・・?」
「野球・・・ですか?」
小さくつぶやいた声が誰かと重なった。
後ろを振り向いてみると、子猫が立っていた。
「えーと、こんにちわ」
「えぇ、おはようございます」
「・・・・・・」
「・・・?」
「なぁ、そこはさ。挨拶合わそうとしないか?」
「しないです」
「・・・あぁ、そう」
野球場では、野球をしている。周りを見てみると、観戦している人もいれたら300人ぐらい、ICP全員がいそうなぐらいの数の人がいた。
「映司君こっちきてー。あら、子猫も来たの?じゃあ、子猫もこっちに来て頂戴」
「瀬奈さん。確かに機能今日はゆっくりすうればと言いましたが・・・」
「えぇ、だからゆっくりと野球よ」
「ゆっくりしてとは、一日自由にしていいとかです」
「まぁ、いいじゃない。こうして野球大会開いてるわけだし」
「野球大会?」
「そう、野球大会。さすがに武器弾薬班の人たちは連れて来れなかったけど、それ以外のICPメンバーはこの野球大会に参加してるわよ」
「グラウンドで戦闘中ってのは?」
「野球のことね」
「・・・マジかよ」
城谷は一つ、ため息をつく。
「あはは、まぁ、そうため息をつかないの。今日は野球を思いっきり楽しみましょう」
こうして、子猫と俺は野球大会に参加することになった。