物置
私は廊下を歩いているとちょうど瀬奈と会った。
「あ、仔猫だ」
「・・・なんか道を歩いていると、たまたま捨て猫かなんかを見つけたような言い方しないでください」
「あら、そんなつもりで言ったわけじゃないわよ」
「・・・ならいいですけど」
「あなたもくる?」
「どこへです?」
「瑛司君のとこ。またあの頭痛が起こって倒れたのよ。まったくなんなのかしらね」
「この世界に来る前からそういう病気を持っていたということは?」
「それはないわ」
「なんで知ってるんですか?」
「え?いや、まぁそれは・・・ね、なんとなくよ。・・・で、仔猫は来るの?来ないの?」
「いえ、私はちょっとしないといけないことがありますので」
「しないといけないこと?・・・あぁ、そういえば私が、仕事を頼んでいたわね」
「えぇ、まぁそんなとこです」
「それじゃあ仕方ないわね。じゃあ、私は瑛司君のところに行ってくるわ」
そのまま瀬奈と私は分かれた。
私は実際することなどなく、自分がいつもいる部屋に向かった。
「・・・・・・」
向かってはいるが、一向に到着しない。場所が遠いわけではない。歩くスピードが遅いわけでもない。
「・・・あれ?どうやって行くんだっけ?」
道がわからない、迷子になっただけ。
普段は近くの人に道を聞いて目的地にたどり着くのだが、今から向かう場所は誰も知らない場所である。
「・・・適当に歩いてたら着くだろう」
――――着いた。
物置のように、机や椅子、ダンボールの箱などが無造作に置かれている。ただ、隅っこに量にあるようなベッドや机などがある。
子猫はベッドに腰をかけた。
「瑛司の記憶はまだ戻らないのか・・・」
瑛司の記憶はまだ戻らない。だけど、あの夢を見せることによって少しずつ記憶が戻ってきている。
私は瑛司の記憶を戻させようとしたが、できなかった。だから仕方なく、夢を見させることによって、少しずつ記憶を戻すことにした。
まだ記憶は全く戻っていないようだけど、きっかけさえあれば一気に記憶が蘇ってくると思う。
「・・・お腹すいたな」
時計を見ると時刻は午後八時。食堂は九時過ぎにはしまってしまうので、私は食堂に行くことにした。
投稿が遅くなって本当にすみません!
色々と忙しくて・・・
次は早く投稿できるように頑張ります