手紙と会話
『一応初めましてかな?私の名前は・・・・いいや。最初に言っとくけど、私はお前たちの味方だ』
「そんなこと急に言われても信じられないよな」
手紙を読んでる最中に、凌がポツリという。
『うん、まぁそうだと思うんだけど』
「え?それ手紙に書いてんのか?」
『はっはっは、そういうと思った。書いてるぞ』
「・・・瑛司の言葉なのか手紙の言葉なのか分からねェよ」
『まぁ、自己紹介はこの辺にして、本題に入ろうと思う』
俺は一旦ここで手紙を読むのをやめ、一呼吸してから再び手紙を読み始める。
『お前たちは、明日バグの核と呼んでいるやつの三つ目と四つ目を壊しに行くらしいが』
「な、なんで知ってるのよ?この手紙主は・・・」
『え?そうだな・・・読心術?』
「なんで俺たちは、手紙と会話が成立してるんだ?」
「・・・・・・」
『まぁ、そんなの気にしない気にしない。で、バグの核の三つ目と四つ目についてだが、私が壊しておいた。だから明日は別に壊しに行く必要はないから、ゆっくりすればいい』
「壊した・・・だと?」
『壊す:物に力を加えてもとの形を崩したり、失わせたりする。砕いたり破ったりして使用できないようにする。破壊する。とかそういう意味だけど』
「それは分かるんだが・・・」
雄二は「どうなってるんだ?」と言いながら、左手で自分の頭を掻いた。
「つまり、バグの核は、残りひとつ――――五つ目だけということね」
『そうそう。五つの目位置はすでに知ってると思うから、言わなくていいよな』
「えぇ」
『うーん・・・もうこれぐらいでいいかな?じゃあ、私はこれで失礼させてもらう。・・・あぁ、最後に一つ。五つ目は簡単に壊せると思うから。じゃあな』
「あ、ちょっと待って」
『え、なに?』
「この手紙おかしいだろ・・・。どうして瀬奈の呼びとめる声に反応できてるんだよ・・・」
「五つ目は簡単に壊せるって、どういうこと?」
『それは、五つ目の場所に着いたらわかる。今度こそじゃあな』
手紙を読み終わり、手紙から目を離した
「・・・ふぅ、これで手紙の内容は終わりだ」
「奇妙な手紙ね」
「手紙と普通に会話できてたからな」
「瀬奈は、この手紙の内容を信じるのか?」
「そう簡単には信じられないわよ。そうね、仔猫に連絡を取って三つ目と四つ目のバグの核がどうなってるか、確認させるわ」
「・・・・・・」
「・・・とりあえず、今日は食堂で夕食食べてもう寮に戻るか」
「そうだな・・・、ッ!?」
「瑛司君!?」
あ・・・また、この頭痛か・・・。
ここで、俺の意識は途切れた。