封筒の中のまたその中の実は一番最初の封筒の中の手紙
「これ・・・手紙、だよな」
白い封筒に糊かなにかで、閉じてある。
「瑛司君、その手紙どうしたの?」
「俺も知らない。気づいたらそこに、机の上に置いてあった」
聞いてきたということは、手紙を置いたのは瀬奈ではないな。
「凌が置いたのか?」
「いや、俺じゃないぞ」
「赤坂は?」
「ふっ、俺が手紙をかけるとでも思ったか」
あぁ、そういえばコイツ、文章力小学生以下だもんな。
「なぁ、その手紙には何が書いてあるんだ?」
雄二が聞く。
雄二は、持ってきたラーメンはすでに食べ終えて、いつの間にか持ってきたうどんを食べている。
「あ、そういえばそうだな。・・・開けるぞ?」
「・・・えぇ、お願い」
得体のしれない封筒をおそるおそる開けた。すると封筒の中には・・・・・・
「・・・封筒?」
灰色の封筒が出てきた。
「これは・・・馬鹿にしてるのかしら?」
「今度は灰色の封筒だねー」
「じゃあこれ開けるぞ」
さっきとは違い、すぐに封筒を開けた。
「また封筒かよ・・・」
今度も封筒だった。
「今度は黒か~」
「こ、これは、まさか・・・」
「凌君、何か気づいたの?」
「あぁ、この三つの封筒――――――無彩色だ」
「「「・・・・・・」」」
約10秒間の沈黙が訪れる。そして最初に瀬奈が口を開けた。
「凌君、逝ってらっしゃい(ニコッ)」
「あぁ、ごめんなさい!だから窓から落とさないで!」
「・・・ったく、凌君。ふざけないでよ」
「・・・結構まじめだったんだけどな」
「はぁ、そろそろこの封筒も開けていいか?」
「いいわよ」
黒色の三つ目の封筒を開ける。
「なにも・・・・入ってねェし・・・」
「んだよ、ただの嫌がらせかよ」
「そういう凌君がしたんじゃないの?」
「してないから、もしするんだったら赤坂だろ」
「俺はそんなことはしない」
「じゃあ水谷?」
「いや、俺でもない」
雄二、長谷川、セリアにも聞いてみたが、みんな自分ではないといった。
「じゃあこの手紙、誰が置いたんだ?」
「手紙つっても封筒だけだけど」
「だよな・・・別にただの嫌がらせみたいだし――――あれ?」
「どうしたの?」
「いやちょっと・・・」
一番最初の白い封筒に、手紙が入っていた。さっきは、灰色の封筒にしか気づかなかったらしい。
「さっき見たときは気付かなかったけど、一番最初の封筒に、手紙が入ってた」
「で、なんて書いてあんだ?」
「まだ、見てない。今から読んでみる」
俺は手紙を右手に持ち、手紙を声を出して読み始めた。