ずっと住んでる
「気づいたら・・・いた?」
「おう、気づいたらいたな」
「気づいたらって、どのくらい前に武器弾薬班のところにいたの?」
「うーん、正確には覚えてねぇけど、何年も前からいたな」
「何年も前って、秦がここに来たのは半年ぐらい前だぞ」
「人違いじゃないのか?」
「いや、それはないわ」
「どうしてだよ」
「あいつ・・・水谷は物覚えだけはものすごくよくて、一度あった人の顔を忘れるはずないわ」
「そうなのか・・・でも、秦は何年も前にいるってのはどう説明するんだよ」
「それは分からないわよ」
「なぁ、俺一人仲間外れにしてみんなで何話し合ってんだ?」
「なんでもないわ。気にしないで」
「それならいいけど」と、言った後に水谷は大きなあくびをした。眠いのだろうか?目元をよく見ればくまがある。
「水谷君、あなたたちが知り合った時のことを詳しく教えてくれる?」
「ん、まぁいいけど」
右手で頭の後ろを掻きながら壁のところまで移動して、壁に寄りかかると説明を始めた。
「さっきも言った通り、こいつはいつの間にか武器弾薬班のところにいたんだ。最初見たとき『あれ、こんな奴ICPにいたかな?』って思ったんだよ。でもまぁ、可愛かったし瀬奈に確認とらなくていいやと思ってな」
「いや、とりなさいよ」
「で、本人にどこの班か聞いてみたんだ。でも『わからない』としか答えなかったし、見たこともないやつだからどうせ新入りの人だろうと思った」
「確認を取りなさいよ・・・」
「でも、暗くなっても帰る様子がなくてもしかしたら迷子かなと思い聞いたけど『違う』って返された。あれは即答だったな。そのあとも『帰らないのか?』『変える場所なんてない』『じゃあどうするんだ?』『わからない』『可愛いな』『そう』『変える場所がないならここに住むか?』『・・・・・・』『ここには、むこうのに比べると食堂も寝るところもしょぼいが、充分生活できる』『そう』『じゃあ決まりだな』って感じに会話を続けて、武器弾薬班のところに住むことになった」
「お前は何がしたいんだよ・・・」
会話がちゃんとできてないじゃん・・・。ってか最後『そう』としか答えてないのに住むことになってるし
「・・・・・・あれ?」
「どうしたの凌君?」
「住んでいたって言ってたよな。武器弾薬班のところに」
「えぇ、言った・・・・え?」
「・・・・・・水谷、住んでたっていつごろまで住んでたんだ?武器弾薬班のところに」
「えーと、半年ぐらい前までだったな。住んでたって言っても時々いなくなってたけどな。長い時にはい何か月も・・・」
「「「・・・・・・」」」
「・・・ってどうしたんだ?みんな黙り込んで」
水谷は言った。秦は武器弾薬班のところに半年ぐらい前まで住んでいたと。
つまり・・・・・・
「「「秦はずっとICPに居たってことかよ!?」」」