食料班の長
「大丈夫よ。私が止めなくても、この騒動は収まるわよ」
と瀬奈は言ったが、二人は今にも衝突しそうで、おさまりそうに見えないんだが・・・
「な、なんだ?」
急に食堂の入り口のほうが騒がしくなった。
すると人ごみは、道を開けるように左右に分かれ、その道を歩いてくる人物があった。
「ここで、騒ぐなぁあああっ!!!」
その叫び声に、一瞬にして食堂の中は静かになった。
その叫び声の主は食料班班長、中山 惠だった。
「なんの騒ぎだ、これは?・・・ん?」
惠は、人ごみの輪のの中にいた人物、赤坂を見る。
「赤坂、これはお前の仕業か?」
「え、いや、これは・・・・っていねェ!?」
さっきまで赤坂の近くにいた古都耶はすでにいない。
「何があった?場合によっては許してやる」
「こ、これは、古都耶がはッ」
「言い訳をするな!・・・ったく、人のせいにするとは最低だな」
惠は、赤坂の顎に膝けりを食らわす。赤坂は間違ったことは言ってはいないと思うが
「すごい脚力だな。一瞬にして赤坂のところまで移動するなんて。結構距離あったよな?」
「そうよね。彼女を食料班なんてもったいないわよ」
そのすごい脚力を持っている惠は、ピクリとも動かない赤坂の襟首を持ちながら、人ごみに向かって聞く。
「この騒動を起こしたのは、赤坂だけか?他に誰かいないのか?お前らは一部始終見ていたんだろ、もしほかにいるんだったらそいつの名前を言え」
「「「坂本です」」」
「へ?」
ICPのメンバーが口をそろえて言った。
素晴らしき団結力だな・・・
「そうか、凌だな」
「ちょ、お前ら!俺関係ないだろ!?」
凌は、食堂の入り口めがけて走り出す。逃げても無駄だと思うけどな
しかし、惠は凌を追いかけようとはせずに一言喋る。
「凌・・・逃げるなよ?」
「う・・・りょ、りょうかい・・・」
「さてと、さぁお前ら散った散った!食堂でこれ以上騒ぐんじゃねェ」
こうして、食堂での騒動は収まった。