食堂の騒動
瀬奈の後をついて食堂に入ると、入り口の所よりもすごい人だかりが、何かを囲うようにできていた。
この人だかりの中心には、煙がもうもうと上がっていて何があったのかわからない。
しばらくして煙が晴れて、二人の人影が見えてきた。片方は男、もう片方は女のようだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
二人はにらみ合うように立っている。男のほうは、制服が汁物や醤油なんかで汚れていて、見るからに馬鹿そうな格好――――赤坂だった。もう一人のほうは、制服の上に白衣きた見たことのない人だった。
「なぁ、あの白衣を着た奴って誰だ?」
「彼女は開発班の班長、古都耶 美恵よ」
「開発班?武器弾薬班となんか違うのか?」
「違うわよ。開発班は新しい武器なんかを開発するのよ。武器弾薬班は、それをたくさん作る」
「なるほどな」
瑛司は、瀬奈の説明を聞き終わると古都耶と赤坂のほうを見る。
「てめぇ・・・」
「おーっほっほっほっほ!!無様な格好ですこと」
古都耶が赤坂の格好を見て、大きく笑う。
「何があったんだ?」
「古都耶さんが赤坂君の食事が乗ったトレイになんか仕掛けたんでしょうね」
話によると、古都耶はいろいろなものを開発してはICPのメンバーを困らしているようだ。標的はほとんどが赤坂と凌らしいが・・・
「今日という今日はゆるさねぇからな!」
赤坂は、古都耶に向けて走り出した。
「私を捉えるなんて百年早くてよ」
古都耶は白衣のポケットの中から、怪しげな機械を取り出した。
「止めなくていいのか?なんかものすごく危険な感じがするんだが」
「大丈夫よ。私が止めなくても、この騒動は収まるわよ」