いざ、食堂へ
瑛司と由紀は食堂へ向かった。瑛司と由紀は、今日は何を食べようかとそんな話をしていたが、何やら騒がしい。何人もの人が二人を走って追い抜いて、どこかへ向かっていた。
「なんかあったのか?」
「さぁ?」
今までこんなことはなかった。もしかしたら、襲撃でもあったのか?もしそうならば、ゆっくりしてはいられない。
瑛司はそこまで考え、ふと思い出したように言った。
「あれ?この方向って・・・」
「食堂、だよね・・・」
俺は、走って俺たちを抜こうとした、男に声をかけた。名前は確か・・・・山本 龍之介だったかな?
「なぁ、ちょっと待ってくれ」
「ん?なんだ?」
山本は、先を急ぎたいという素振りを見せながらも立ち止まってくれた。
「どこかでなんかあったのか?」
「食堂だよ、食堂。おまえ来いよ」
「あ、ちょ・・・・行っちまった」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
瑛司と由紀は無言のまま、走っていく山本の背中を見ていた。
そのあとお互い、顔を見て首を傾げながら言った。
「何があったんだ(ろうね)?」
食堂に着くと、入り口にはすごい人だかりができていた。その人だかりの中から一人、こっちに向かって歩いてきた。
「城谷君、ちょうどよかったわ。今から呼びに行こうと思ってたのよ」
「瀬奈か。なんなんだ、この人だかりは?」
「まぁ、中に入ればわかるわよ」