シンの秘密
「・・・・二重人格?」
「そう、二重人格」
「それって、今まで私たちと戦ったりしていたのがもう一つの人格で、もう一つの人格がいまのあなたってこと?」
「そういうことよ」
二重人格か。そんなものあるんだな。
「もう一つの人格の時、今のお前の意識はあるのか?」
雄二が聞く。
「全くという程ではないけど、少しあるわ」
二重人格について詳しく聞いたところ、普段は今の人格、戦うときはもう一つの人格ということらしい。人格は意図的に変えられるものではないらしいが、戦いの場に来ると勝手に変わるということだった。ただ、あの時・・・・俺を助けたときは、人格が変わることがなかったらしい。
「でも、どうして俺たちを攻撃したりしてたんだ?」
「・・・あなただって、敵か味方かわからない人から銃で撃たれたら敵だと思うでしょ?」
・・・確かに。
「ところで、あなたの名前は?」
瀬奈がシンに聞く。
「名前?あなたたちは知ってるんじゃないの?」
知ってる?少なくとも俺は知らないぞ
どうしてそう思ったのだろうか・・・
俺は、瀬奈のほうを見た
「私は知らないわよ、まともに話したことなんかないんだし」
「私も知らないよ~」
瀬奈とセリアは知らないと言った。ほかの四人も知らないみたいだ。
「?でもどうして私の名前を知ってるの?」
?俺は首を傾げて、瀬奈のほうを見た。
瀬奈も、さぁ?って感じな顔をした。
・・・あ、俺たちはずっと、シンと呼んでいたわけだ。そのシンは、名前を知っていると言った。つまり・・・
「なぁ、もしかして名前って・・・」
「シン、漢字で秦って書くわ」