第一ステージ・・・・・・・クリア?
「瀬奈!これ本当に倒せるのか!?」
「私に聞かれても、知らないわよ」
「ゲームにもよるけど、ボスってちゃんと体力があるよ~」
「うむ、時々あの機械はひるむことがあるから、ダメージは与えられているだろう」
「・・・・・・・・・」
俺と瀬奈はハンドガンで、雄二は、ロケットランチャーやグレネード、セリアはスナイパーで、敵の弱点と思われるバグの核を攻撃。長谷川は、機械の上で走り回って、短刀でとにかく切っている。
「機関銃のせいで、近づけねェな」
「ハンドガンでこの距離はきついわね。近づければいいんだけど・・・・・・ッ、城谷君!そっちに来るわよ!」
機械は、壁を走りながら機関銃で俺を撃ち、こっちに向かってくる。
「やばッ―――――」
突っ込んでくるだけか、機関銃で撃たれるかどちらかだけだと、避けることはできる。だが、二つ同時だとうまく避けられない。・・・・ゲームだと、このあたりで選択肢でも出るのかな?
1・飛ばされて、死ぬ
2・撃たれて、死ぬ
・・・・・見事に、「死」しか選択肢がないな、ってマジでやばい!
とりあえず、俺は横に動いて、敵の突進をよけた。そのあと、撃たれたときの痛みに耐えようとして、全身に力を入れた。・・・・だが、敵の攻撃はなかった。
「?・・・・・・ッ!?」
不思議に思って機械のほうを見ると、俺を狙っていた機関銃が壊れていた。
「・・・・・・・・・・」
「長谷川さん、ナイスよ!」
壊したのは長谷川だったみたいだ。どうやら、機械の上で走り回って切っていたのは、機関銃だったらしい。・・・・・・ってか、短刀で機関銃を壊せるのか?
「うん、だいぶダメージを与えられてるみたいだよ~。ほら、ところどころ煙が出てるもん」
セリアの言うとおり、機械はところどころから煙を出している。
「みんな、あと少しよ!」
「長谷川、そこから降りてくれ。俺が持ってきているグレネードなんかで一気に攻撃する」
「・・・・・・・・(コクリ)」
長谷川は一回頷くと、機械の上から飛び降りた。
「いくぞ!・・・・・・そりゃあ!!」
雄二は、グレネードを何個か投げつけ、そのあとRPG-7をバグの核に向けて撃った。
煙が上がり、視界が奪われる。
「・・・・・・・・・・」」
「・・・・・・・壊れたのか?」
視界が少しずつ戻り、機械が見えるようになった。
バグの核は、見事壊れていた。
「・・・・・とりあえず、第一ステージクリア、ってとこかしらね」
「これで、最初のステージのボスかよ」
「うむ・・・・こんなのが、今から潰す支部の全部にいるのか?」
俺は、安堵してその場に座り込んだ。走りずぎて、足が重い。
「大丈夫だって。俺がいればボスなんて簡単だぜ」
「ふん、お前たちなどいなくても、俺一人で倒して見せるわ」
再び復活した、凌と赤坂が言った。
・・・・・・・いや、お前たち一番最初にやられただろ。
「あー、体がだるい」
「そうね・・・・ッ!?城谷君、危ない!」
「なッ!?」
機械が再び動き出し、俺のほうに突っ込んできた。バグの核を壊したはずなのに、まだ動くのかよ・・・・・
「くそ、・・・・っ!?」
起き上がろうとしたが、体がうまく動いてくれない。
もう一度足に力を入れ、何とか立ち上がった。
・・・・・・・・・今なら、まだぎりぎり避けられるか?
「―――――ッ!?」
まただ、またあの頭痛だ。やばい、意識が・・・・・・・・・。
俺は、そのまま前のほうに倒れていく。そんな俺をめがけて機械は突っ込んでくる。
「城谷君!」
「―――――ッ・・・・・・・・・」
そして俺は、意識を失った。