昼の昼食にて・・・
登場人物紹介
城谷 瑛司
記憶を失ってしまった、この物語の主人公。
いまいちこの世界のことを理解できずに、ほかの人を心の底から信用しようとしてないが、ともに行動していくうちに徐々に打ち解けてきた。
耳にかかるぐらいの髪の長さで藍色の髪の毛。
使用武器:M500など
春風 瀬奈
この世界でバグを倒し、そしてこの世界から抜け出すことを目的としたICPのリーダー。
気が強く、気に入らないことがあったら、高確率で凌にあたる。
でも、本当は仲間思いのいい人。
髪は肩にかかる程度できれいに切りそろえられた赤毛。
主要武器:M1911A1、ナイフ(複数)
坂本 凌
バカだけどどこか頼れる感じの人。
高確率で瀬奈に痛めつけられる。
・・・やっぱりバカ。
襟にかかるぐらいの長さの灰色の髪。
主要武器:MP5K (デュアル)
高山 雄二
体つきがよく柔道が得意。
柔道をやっているということで力仕事は得意。
意外と料理上手。
瑛司よりも短い黒い髪。
主要武器:DP28軽機関銃
長谷川 怜
無口でクール。冷静な判断をする。
戦うことが結構好き。
方あたりまで伸ばした黒い髪。
使用武器:短刀、クナイなど・・・
セリア・アルクイン
見た目はクールな人だが中身は天然。
上記の五人の中で一番身長が高い。
背中まで伸ばした長い金髪。
主要武器:Interventionのみ
赤坂
目つきが少し鋭く、どこかの不良的な人。
引き立て役をするかませ犬。
瑛司と凌の間くらいの長さの黒髪。
使用武器:M590など
間宵 仔猫
ICP唯一の参謀役。
大量の情報をきれいにまとめて分かりやすく伝えてくれるすぐれた人。
迷子になりやすい。
身長が低くツインテールの茶髪。
武器弾薬班の所を見学してから、いろいろな作戦を行った。バクの管理下にある拠点をいくつつぶしたんだろうか。どの作戦もめちゃくちゃしんどい。だけど、危険な作戦でも瀬奈たちといると、楽しい。赤坂が死んだり、がけから落ちたり、クレイモアにひかかったり・・・・・赤坂、死んでいない作戦あったけ?まぁ、いいや。シンも、全部の作戦ではないが、しばしば俺たちの前に現れた。彼女は何がしたいのかがわからない。ただ、俺たちの前に現れるだけ。こっちが攻撃を仕掛けると、攻撃をしてくる。こっちが攻撃をしないでいると、向こうも攻撃をしてこない。こっちに向かって歩いてくる。あれは、怖いな。無表情で、まっすぐこっちを向き、ただ歩いてくるのは・・・・。
春風:「暇ね」
城谷:「いや、お前、暇って・・・・」
今も、バグは増え、動き回っているのだろう。だが俺たちは、ここ一か月近く何もしてない。作戦本部に来てだべっているか、地下の射撃練習場に行ったり、いろいろな部活動を見て回ったりと自由な行動をしていた。
坂本:「まぁ、いいじゃねェか。こんな感じでも」
城谷:「でも、今こうしている間にもバグは増え続けているんだろ?こんなゆったりしていていいのかよ」
坂本:「そうかもしれないけど、瀬奈になんか考えがあるんだろ」
俺は、瀬奈のほうを見る。左腕に右腕の肘をのせ、右手を顎に当てて深刻な顔をしている。何を考えているのだろう・・・・
春風:「今日の昼は何食べようかしら・・・・」
くだらないこと考えていたっ!
春風:「よし、さぁみんな。購買でなんか買って屋上に行きましょう」
購買で何か買って屋上で昼食を食べる、というのが俺たち瀬奈、凌、雄二、長谷川、セリアの日常となった。ときどきこのメンバーに、赤坂が加わる。購買で、俺の一番のお気に入りの焼きそばパンと紅茶を買って、屋上に向かう。
城谷:「ん?これ広告部の・・・・」
屋上へと向かう廊下に、広告班の新聞が貼ってあった。『ICP人気投票ランキング!(とにかくこの人いいよね!って人に投票してね)』という内容だった。なぜか男性人気ランキング七位に俺の名前があり、一位は武器弾薬班班長の水谷がいた。女性人気ランキング一位には由紀がいた。・・・・あれ?由紀って男だよな?つーか、こんなのいつしたんだよ。
春風:「・・・・・・・」
なぜか、瀬奈の顔が不満そうな顔をしている。俺は、もう一度『ICP人気投票ランキング!(とにかくこの人いいよね!って人に投票してね)』を見る。・・・・・・あぁ、なるほど。長谷川が三位、セリアは四位。瀬奈はぎりぎりの一けた台の九位に・・・。でもまぁ、九位でも十分だと思うんだけどな。
城谷:「・・・・・・・」
春風:「なによ」
城谷:「え、いやなんでもない」
考えているうちに瀬奈を見ていたらしい。
俺たちは、屋上へと続くドアを開けた。いつものように、適当にだべって(長谷川を除く)時間をつぶしていると、屋上に間宵が来た。
間宵:「ここにいましたか」
春風:「あら、仔猫じゃない。お昼、一緒に食べる?」
間宵:「いえ、昼はもうすみました。今日はあの書類の件で」
春風:「解析が終わったの?」
間宵:「はい」
何やら、瀬奈と間宵が書類がなんとか・・・・・と話を始めた。『あの』ってなんだよ。
城谷:「あー、二人ともいいか?」
春風:「何かしら?」
城谷:「何の話をしてるんだ?」
春風:「今話していたこと?そうね、前城谷君の初めての作戦があったでしょ」
城谷:「あぁ、邸宅強襲だったな」
春風:「その時、持ってきた書類があったじゃない。それについての話よ」
坂本:「解析が何とかって言ってたけど、何かわかっったのか?」
春風:「えぇ、すごいことが分かったのよ」
高山:「すごいこと?」
間宵:「敵本拠地の正確な位置です」
城谷:「敵本拠地・・・・つまり、そこを潰せば、俺たちの戦いが終わるのか?」
春風:「そうよ。でも、さすがゲームといったところかしらね。大きな支部が五つあるの。それをつぶさない限り、本部はつぶせないらしいのよ」
坂本:「なんだよ、そのめんどくさい設定」
春風:「私に愚痴られても、そんなの知らないわよ」
セリア:「とりあえず明日から、その支部をつぶしに回るってことだよね~?」
まじめに言ってるんだろうけど、セリアののほほんとした口調で言われると、緊張感がないな。
春風:「まぁ、そうなるわね」
瀬奈は、手すりに背を預けながら、頭の上で手を組んで、うーんと背伸びをした。
瀬奈は、缶コーヒーを飲みをして、空になった缶を屋上から、中庭にあるゴミ箱に向かって缶を投げた。あと少しで、入るといったところでゴミ箱の前に人が来て、その人の頭に当たった。
赤坂:「うごぉあッ!?」
・・・・・赤坂だった。本当、赤坂はついていないな。しかも、頭に当たった衝撃で、顔からゴミ箱にを突っ込む形に・・・・。
城谷:「うわぁ・・・・」
春風:「・・・・・誰か、空き缶頂戴」
あいよ、と言って凌が空き缶を瀬奈に渡す。そしてその空き缶を・・・・思いっきりゴミ箱(赤坂入り)に向けて投げた。
赤坂:「んぎぃ」
坂本:「お前、赤坂になんか恨みでもあるのか?」
春風:「別に、楽しそうだったから」
城谷:「楽しそうってお前、ひどいな・・・・っておい、長谷川ッ!クナイはまずいぞ、クナイは!」
長谷川:「・・・・・・・」
長谷川は、少し不満そうな顔をしながらクナイをしまう―――ふりをして、赤坂に向けて投げた。
赤坂:「うぎゃぁああッ!」
長谷川:「・・・・・・・」
長谷川は、少し満足そうな顔をした。赤坂・・・・マジで、かわいそうだ。
高山:「なぁ、この後何かするのか?」
春風:「そうねぇ・・・・そうだ、久々に惠さんに訓練をさせてもらいましょう」
惠というと中山 惠のことだよなぁ、と俺は頭の中でひとり呟いた。
惠という名前が出てきたとき、なぜか全員がいやな顔をしたことが気になるけど・・・・・