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第四話「そろそろ始まる騎士選抜」

 騎士選抜の会場にコールサインが鳴り響く。

「これより、贖罪騎士、選抜試験、第一次試験が、始まります。呼ばれた方々は、指示のあったフィールドに、お上がりください」

 再びコールサインが鳴り響き、次々と試験官に呼ばれ受験者達がフィールドに上がっていく。会場にいる受験者はざっと見て百人程度、年齢は十六〜十八くらいの人が多いが、なかには二十代後半の人、中年の人も混じっている。


「よお。オルタネームはちゃんと決めてきたか?」

 話しかけてきたのは自称忍びの少年。

「お前、昨日オルタネーム決めるのにすごい時間かけてただろ…」

「あ、あぁ。だっていきなりこれから名乗っていく名前決めろなんて、時間かかるに決まってるだろ。最終的には痺れ切らした受付の人が占いの核者に俺に合う運命の名前とかいうのをつけてもらったけど…」

「ふーん。それでなんつー名前になったんだ?」

 そう聞かれると俺は恥ずかしながら自身の新たな名前、オルタネームを発表する。

「マガツ…」

 それを聞いた少年は固まり、少し立つと——

「す、すっげえかっこいいじゃないか!」

「え?そ、そうか?」

「あぁ!なんかこう、厨二心をくすぐられると言うか…」

 俺はその言葉に、それ褒めてるのか?と思うも、まあ慣れていくか、と前向きに考える。

「あっ、そう言う君はなんて名前にしたんだ?」

 少年は俺の質問によくぞ聞いてくれたと言わんばかりに鼻を広げ、自信満々に答える。

「フッ、耳の穴かっぽじってよく聞きな!俺の名は影雷(かげらい)!…改めてよろしくなマガツ」

 影雷は俺に手を伸ばして握手をしてくる。一瞬唖然とするが握られた手をグッと握り返し——

「ああ。よろしく影雷!」

 会って間も無くの二人だがその握手は確かな友情で結ばれた。

 二人が友情に(ふけ)っていると一人の女性が割って話しかけて来る。

「あのー、あの、ねぇ、君…」

 その女性は影雷に話しかけに来たようで目を細め、腕組みをして影雷を呼びかけた。一方影雷は顔を少し赤め、うわずった声で返事をする。

「はい!なんでしょう!」

「君、影雷って言うんでしょ?さっきから試験官さんが呼んでるけど行かなくていいの?」

「え?」

 女性が指を差した方を見ると奥の方に鬼の形相をし、何度も影雷を呼ぶ試験官の姿があった。影雷はその試験官を見て慌ててそこに向かう。俺は頑張れと応援すると影雷は振り返り——

「マガツ!もし俺達二人とも騎士になれたらその時は、一緒にチームを組もうぜ!」

 そう言うと影雷はこれ以上待たせるなと言わんばかりの鬼の形相をした試験官の元に若干引きつった顔で向かって行った。


 それにしても綺麗な顔だ。おそらく自分ともそこまで変わらない歳だろうに仕草や雰囲気がとても大人びている。影雷がああなるのも少し納得だ。

 俺はそんなことを思いながら直視しているとその女性が不審そうに話しかけてくる。

「えーと…何か用?」

「ひゃい!?」

 俺はハッとして変な声で返事をしてしまう。

 しまった!?ガン見しすぎた!なるほど影雷もこんな感じだったのか。どう言い訳しよう?このままではこの人に、顔をずっと直視してくる危険人物がいると試験官に言われる!最悪の場合、マガツ、失格。となりかねない…!

 俺が言葉を探してあたふたしていると女性はさらに不審がり——

「カムイさん、第二フィールドにお上がりください」

 試験官が次の受験者を呼ぶと目の前のその女性が立ち上がる。

「あっ、はい。…それじゃ」

 女性は変わらずマガツに不審そうな目をしながら行ってしまう。

「…カムイ…って言うのか、は、はは…がっくし…」

 そうしてマガツは落胆しながら自分が呼ばれるのを待つのだった。

第四話をお読みいただきありがとうございました!


この作品を読んで何か心を掴めるものがありましたら私作者は感激します。

もし『面白い』『続きを読みたい』など少しでも感じましたら

下にある評価をいただけると幸いです!是非お願いします!


私作者は執筆がかなり遅いため投稿に三日以上かかることも多々ありますので

是非ブックマークなどをしてお待ちいただけると幸いです…!

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