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『星降る日』

 いつも通りの朝だ。お母さんに起こされてダイニングテーブルにつき、用意された二枚の食パンにバターを塗って食べる。歯を磨き、服を着替え、玄関で靴を履く。

「行ってきまーす!」

 弟は元気に言う。

「兄ちゃんも言うんだよ!」

「はいはい、行ってきます…」

 あくび混じりに言うとお母さんはくすくすと笑いながら、いってらっしゃいと言って手を振って見送る。弟が走って行ってしまわないよう手を繋いで学校に行く。

「あっ!廻空(みそら)ちゃんだ!おはよー!」

 弟が走って行こうとするので繋いだ手をギュッと握って引き寄せる。

「二人ともおはよう」

 幼馴染の少女が弟の挨拶に笑顔で応える。

「お、おはよう廻空…」

 目を逸らして挨拶を返すが言葉に詰まる。すると少女も気まずそうにキョロキョロと目を泳がせる。

 そんなのをよそに弟は少女とも手を繋ぎ、小さな身体で二人を引っ張りながら走るのに釣られるように自分達もついて行く。


 こんな朝が何度だって続くと思っていた。勝手に思っていた。自分だけじゃない、誰もがいつもの朝が明日も明後日も来ると…願いたかった。


 大きな星が落ちてくる。大きな光で崩れながら。最初は夜なら見上げてすぐある光の粒、けれどそれはどんどんと大きくなっていき、月も空も隠していった。無意味な携帯の騒音がどこかしこから流れても気にも止めずに、多くの人が唖然としてそれを見る。

 けれど、ある人はそれを救いと見ていて、ある人は暗い病室から宝石を見るかのように目を輝かせていて、またある人は大切な人達と覚悟しながらそれを見ていて。仕事をしていて。生きようとしていて。手を伸ばして掴もうとしている人がいて。滅びを確信していて——


 崩れながらも数個の星は何色もの色になって青き星を鳥かごのように囲い、落ちていった。

 燃え盛る都市。建物が地面を叩きつけて起こす轟音。悲鳴と助けを呼ぶ叫び声、まさに地獄。落ちてきた星は慈悲深いのか、それとも無慈悲か、生物を殺さず——人類の文明だけを壊したのだ。

 皆は飛来した星を”転生星(てんせいぼし)”と名付け、(いわ)くこの日を星が生まれ変わった日とし”転生元日”とされた。


偽神々の黄昏【ギシンたちのラグナロク】は、

私作者の初のタイトルでございます。

これから長い長い長編になることが予想されますが

この作品を読んで、追っていてよかったと思える

読者様方にとって自慢の作品になるよう

夢を持って書いていきたいと思います。

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